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図鑑制作過程で新種発見、「ガッケンホソカワゲラ」と命名

2022.04.29

 6月に発売される「学研の図鑑LIVE 昆虫」の制作過程で、生きた昆虫の撮影を進める中でいくつかの新種が発見され、実際に採集を行った箕面公園昆虫館の中峰空館長が発見したカワゲラ目ホソカワゲラ科の一種を、「学研」にちなみ「ガッケンホソカワゲラ」(学名は「Perlomyia gakken(ペルロミュイア ガッケン)」)と命名した。

 

 新種発見の経緯を中峰館長は、「僕は今回、カワゲラを担当させてもらっていたので、『昆虫 新版』に掲載するためにカワゲラの仲間を京都の鞍馬川で採っていたんです。いろいろな論文を読んでみると、日本にはホソカワゲラの仲間がたくさんいるけれど、名前が付いていない、いわゆる「未記載種」も多いらしいので、そうしたカワゲラが採れたらと思っていました。すると、採集したカワゲラの中に2個体、今までに見たことがなく、論文や図鑑にも載っていないものが見つかりました」。

 『昆虫 新版』では全種、乾燥した標本ではなく生きた虫を約2700種以上をそれぞれの特徴がよくわかる角度で撮っているという。今回の新種発見によって、昆虫自体に新しく名前が付けられることを子どもたちにも実感してもらうきっかけにもなる。

 「僕が担当させてもらったのはマイナーというか地味な虫ばかりなので(笑)、今までの図鑑だと半ページくらいしか載っていないものが多いんです。それが今回は見開きで、綺麗な写真で載っているので、個人的にはじっくり見てほしいところですね。そして、1000人に一人くらい「この虫なに?」と興味を持ってくれる子どもがいたら嬉しいなと思います」。

『学研の図鑑LIVE 昆虫 新版 DVDつき』は6月23日に全国の書店、ネット書店で発売される。

 

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