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俳句コーナーVOL.37 入選作品を紹介!

2022.10.01

8月25日締切りでご投句いただいた中から、
山口昭男先生に入選作品を選んでいただきました。

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【 優秀賞 】

ほくろには見覚へありしサングラス

高槻市 佐竹 美和子
強面のサングラスの男が現れた。びくびくしながらじっと見ると見覚えのある黒子。「なんだあんたなの」という声が聞こえそうです。サングラスをかければ別人のように感じます。この句、どこかとぼけたところあり面白い。

 

【 入 選 】

つかぬこと尋ねたくなる案山子かな

吹田市 小澤  桔梗
田圃の案山子も様々。ついつい尋ねたくなる顔の案山子さんもいます。

白芙蓉散り落ち白を全うす

茨木市 角島  健二
下五に強い思いを感じます。それは散っても白の褪せない芙蓉への憧れです。

長いもの苦手と言ひて鱧を食ふ

吹田市 堀田 恵美子
人間のおかしさを表しています。鱧の長さはまた別のことなのでしょう。

ひらがなのた行の丸みちちろ鳴く

箕面市 高橋  真美
「たちつてと」。そう言えば、みな丸い。この発見。蟋蟀の声が響きます。

とりあえず昼寝してから考える

高槻市 佐竹 美和子
くよくよしない。この大らかさが、読み手を惹きつけます。

 

【 佳 作 】

掃く人に日傘さしかけ立話

吹田市 辻井  康祐

ちゅつぽんとくちびる離すラムネかな

箕面市 高橋  真美

ウエハース色の装丁半夏雨

和泉市 押見げばげば

水澄んで天満切子の乱反射

豊中市 山上  秋葵

眠る子の手よりぽろりと木の実落つ

吹田市 小澤  桔梗

 ◆ つぶやき評 ◆ 
これだと感じたこと俳句にする。それが俳句の基本でしょう。一か月の間、自然に相対しておればいくつか心が動くものと出合うものです。それを素直に五七五の言葉として表す。その営みが、尊いと思います。

 

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〈 選 者 〉 山口 昭男(やまぐち あきお)

1955年 神戸市生まれ。1980年「青」に入会。波多野爽波に師事。
2000年「ゆう」入会。田中裕明に師事。編集担当。
2010年俳誌「秋草」を創刊し主宰する。毎月発行。句集に『書信』『讀本』『木簡』がある。
2018年句集『木簡』で読売文学賞受賞。日本文藝家協会会員。

 

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【 俳句の応募方法 】
氏名・住所・年齢・明記のうえ、ハガキ、封書、FAX、下記の応募フォームのいずれかからご応募ください。

【 宛 先 】
〒566-0001 大阪府摂津市千里丘1-13-23
株式会社シティライフNEW 俳句係まで
FAX 06-6368-3505
https://pro.form-mailer.jp/fms/f413b102177160

【 応募フォーム 】
※締め切りは毎月25日必着
※いずれも一人5句まで
※掲載は次々号となります
※佳作は掲載をもって発表とさせていただきます。
※お名前と作品を掲載します。

 

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山口昭男先生の最新巻の紹介

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