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安威川ダム 2023年度に開業 国内最長つり橋やバンジーを計画 北部のにぎわい創出に期待

2022.11.14
人道橋としては日本最長となるつり橋。ユニバーサルデザインを取り入れ、
車いすでの通行や、年配の方から子どもに至るまで幅広い人々の利用が可能になっている。
イメージパースは「安威川ダム周辺整備基本計画」から。

 

茨木市北部で大阪府が建設する「安威川ダム」は2023年度中に供用開始予定としている。9月5日にはダムに水を貯める「試験湛水」がはじまった。ダム周辺では茨木市が公園の整備を進め、カヌー、ボートなどの水辺のレジャーなどを計画。12月には市民から募った名称から公園名を決定する。

試験湛水開始

今年9月、ダムの本格運用の前に、実際に水を貯めて本体や貯水池周辺の安全性を確認する試験湛水が始まった。大雨の際の洪水も貯留しながら、約8カ月をかけて水を溜め、その後は約1カ月間で普段の水位まで下降させる。検査などを経て2023年度内の運用開始を目指している。規模は堤高76.5m、ダム湖の左岸から右岸までの長さは337.5m、総貯水容量1800万トン、全体事業費は1676億円に及ぶ。

ダム湖周辺整備の公園 2024年度春オープンを目指す

茨木市はダム湖周辺の水辺の環境や周辺の自然環境を生かした、一体的な利活用により新たな交流人口や関係人口の拡大につなげることを目指すとしている。市は民間事業者のアイデアや活力の導入を図るため2020年8月に公募。大和リース株式会社、グラビティパークホールディングス株式会社、株式会社E-DESIGNの3社によるグループを優先事業者として決定し、2024年度春の公園オープンに向けて昨年9月に基本計画を策定した。

基本計画によると、「未来につなぐ美しい自然、創造と交流の湖畔の里~北摂の自然と人の織りなす美・自然と人の新たな調和を目指して~」を事業コンセプトとし、4つの整備イメージを発表した。

① 水とみどりを生かした活用が想定する「ダム湖上流エリア」。
② 水上アクティビティによる湖面利用が想定する「ダム湖及びダム湖内平坦地エリア」。
③ ダム湖の上空を利用し、湖面の両岸を結び、ダム湖の眺望を生かしたアクティビティが体験できる機能を整備し、にぎわいを創出する場所の形成と観光振興を図る「ダム湖上空エリア」。
④ 安威川ダム周辺の集客と地域振興の拠点となる機能を整備することで、市民の暮らしの満足度の向上と、新たな交流人口の拡大につなげる機会を創出する「ダム湖隣接平坦地エリア」。

4区域に分けて整備を進めるとしている。

観光に期待 ダム湖上空エリア

ダム湖上空エリアでは、民間施設として整備する予定で、官民連携事業として茨木市は取り組むとしている。運営を計画するグラビティパークホールディングス株式会社(東京都渋谷区)によると、ダム湖の右岸と左岸を結ぶ長さ約420mのつり橋を架けるとしている。歩いて渡る人道橋としては日本最長、世界でもトップ10に入る。また、つり橋には3つのアトラクションを計画。バンジージャンプや40mのロープにぶら下がり落下する巨大ブランコ、つり橋を構成するワイヤーケーブルを登り、主塔頂上を歩く日本初のアクティビティーなどを展開する予定だ。湖岸には水上レジャーを楽しむためのデッキを整備。ダム湖の眺望を楽しめる飲食・物販施設に加え、イベントなどを開催するステージや観客席も備え、民間事業者が中心となって整備・管理するとしている。

つり橋の中央から約50メートルのバンジージャンプを計画。イメージ画像はグラビティパークホールディングスのリリースから引用。

 

ダム湖隣接平坦地エリア鳥瞰イメージ

ダム周辺の公園名称を募集

公園の名称は今年9月22日まで募集し、全国から1,439件が寄せられた。案を10程度に絞り込み、10月下旬~11月上旬に市民投票を実施。12月中旬に最終決定する予定だ。詳細は茨木市のホームページで確認できる。

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