地域情報紙「City Life」が発信する地域密着のニュースサイト

俳句コーナーVOL.40 入選作品を紹介!

2022.12.23

11月25日締切りでご投句いただいた中から、
山口昭男先生に入選作品を選んでいただきました。

● ● ●

【 優秀賞 】

冬日向球根ひとつづつの位置

吹田市 森戸  秀次
春になれば植えられる球根。そこへ冬の日差しが広がってゆきます。球根は固まって置かれているのでしょうが、ひとつひとつの位置が決まっているようにも見えます。春を待つ球根の姿がくっきりと浮かびます。

 

【 入 選 】

空海の寺の土塀や石蕗の花

吹田市 高嶋  文範
空海の寺と言われれば、土塀の様子が鮮明に見えてきます。石蕗の花もまた。

絵葉書の国は平らか返り花

枚方市 菅井  香永
平和な国の風景の絵葉書でしょうか。返り花がよい効果をもたらせています。

よくもまあ日本に生れて菊日和

茨木市 河本   要
大胆に表現したことが菊日和という季語に素直につながりました。

菜箸のまあるく焦げて冬立ちぬ

和泉市 押見げばげば
「まあるく」が眼目。これからの厳しい冬にもこの菜箸が活躍しそうです。

マカロンの隙間に水曜日の小春

豊中市 山上  秋葵
「水曜日の小春」という言葉。句集の題名になるような素敵な言葉です。

 

【 佳 作 】

もういいかいもういいよと散るもみじ

茨木市 廣田  静子

枇杷の花使い古しの皮鞄

吹田市 堀田 恵美子

新米や指をはみ出す握り飯

吹田市 秋山   寛

くやしさは大根なますの鷹の爪

茨木市 藤井  晶子

虫の音の澄みて長湯となりにけり

茨木市 角島  健二

 ◆ つぶやき評 ◆ 
「エンジンをかけたらフロントガラスがくもった」が散文です。俳句にすると〈エンジンの音の近くに返り花〉〈返り花フロントガラスすぐ曇る〉となります。季語を決め、定型に収める。散文から韻文へ。挑戦してください。

 

● ● ●

 

〈 選 者 〉 山口 昭男(やまぐち あきお)

1955年 神戸市生まれ。1980年「青」に入会。波多野爽波に師事。
2000年「ゆう」入会。田中裕明に師事。編集担当。
2010年俳誌「秋草」を創刊し主宰する。毎月発行。句集に『書信』『讀本』『木簡』がある。
2018年句集『木簡』で読売文学賞受賞。日本文藝家協会会員。

 

● ● ●

 

【 俳句の応募方法 】
氏名・住所・年齢・明記のうえ、ハガキ、封書、FAX、下記の応募フォームのいずれかからご応募ください。

【 宛 先 】
〒566-0001 大阪府摂津市千里丘1-13-23
株式会社シティライフNEW 俳句係まで
FAX 06-6368-3505
https://pro.form-mailer.jp/fms/f413b102177160

【 応募フォーム 】
※締め切りは毎月25日必着
※いずれも一人5句まで
※掲載は次々号となります
※佳作は掲載をもって発表とさせていただきます。
※お名前と作品を掲載します。

 

● ● ●

 

山口昭男先生の最新巻の紹介

シリーズ自句自解Ⅱベスト100 山口昭男定価1500円+税 版元 ふらんす堂

既刊句集より100句抄出して著者みずからが解釈を付したもの。一句が出来上がるまでの作家の推敲のあとをたどることができ、実作者の句作りにおおいに役立つ入門書である。(Amazonなどで販売中)

 

記事内の情報は取材当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。