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-豊中- 小中一貫、独自のカリキュラムと地域の人々のサポートで子どもたちに新たな学びを

2023.04.06
庄内さくら学園校舎。庄内出張所や公民館、図書館などの
機能を備えた複合施設「庄内コラボセンター」が隣接している。

 

この4月に開校する、義務教育学校(施設一体型小中一貫校)である豊中市立庄内さくら学園。子どもたちの「未来を切り拓く力」を育むカリキュラムを実現し、地域の方たちとの関わりを大切にする学校づくりを目指す。実際にどのような事が学べるのか、豊中市教育委員会事務局の上野さんに話を聞いた。

小・中学生という枠を取り払い、義務教育9年間を見通した指導へ

平成26年から検討が始まった庄内さくら学園は、小・中学生という枠ではなく、1〜9年生という学年になり、それぞれの発達段階に応じた3ステージに区切られる。1〜4年生が第1ステージで、従来の小学校と同じ学級担任による指導。5〜7年生の第2ステージはゆるやかな教科担任制。ここで少しずつ定期テストなども取り入れて、見通しを持って学習する習慣づくりを始めていく。8〜9年生の第3ステージでは進路を見据えて学習指導を充実させる。「今までは小学校から中学校に変わった時に学習や文化の違いに戸惑って、“中1ギャップ”が起きていました。庄内さくら学園では、施設一体型小中一貫教育の強みを生かし、9年間を見通して一貫性のある学習指導・生徒指導を行っていきます」と上野さん。

庄内市民科SDGプログラムで未来を切り拓く力を育む

「SDG」とは「庄内・大好き・元気」の頭文字で子どもたちが地域の人との繋がりの中で街の良さを知り、地域に貢献できる大人へと成長するための、学校と地域の協働プログラムだ。コミュニケーションを学ぶために劇作家の平田オリザさんを招き、演劇ワークショップも行われた。「自分達で元の台本を変えて、皆で演劇を作り上げていく。その過程で、自分の思いを伝えたり相手の気持ちを知ることが大事なんです」と上野さん。その他、大阪音楽大学のワークショップ等、地元の力も借りて“本物”を体験して行く予定だ。校区探検では社会で生きるモデルとなる街の人や街を知り、キャリア学習では保育実習を行い、小さな子どもと接することで、将来子育てをする時の感覚を育む。上野さんは「どの活動も参加した生徒達に好評でした。自分の夢や目標を考えるキッカケになれば」と話す。

「庄内さくら学園応援団」を通じて地域とともにある学園に

さらに子ども達が、いつも誰かに見守られているという温かい繋がりに包まれる地域を作りたい。それを叶えるための枠組みとして「さくらコミュニティ・スクール」を創立し、地域の人が子どもと直接関わって支援するボランティア「庄内さくら学園応援団」を募集している。庄内の人達は“応援気質”があるため、「子どもから元気をもらえるねん」と楽しく関わる人が多い。「週に1回でも年に1回でもいいから関わってくださるとうれしいです。保護者の方達からも期待されている学園なので、地域一丸となって、子どもに夢を与える素敵な学園にしていきたい」と上野さん。

豊中市教育委員会事務局・学校教育課の上野さん。令和3年度から担当者として携わっている。

 

庄内さくら学園応援団の活動例「昔のくらし体験」。

庄内さくら学園 応援団への問合せ・申込みは
shonai-s@edu.toyonaka-osa.jp

記事内の情報は取材当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。