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-豊中- 千里中央のオトカリテが4月30日閉店 街の歴史が刻まれた店舗と別れの時

2023.04.15
1970年代の大丸ピーコック(提供=イオンモール株式会社)

 

千里中央駅前のショッピングモール「オトカリテ」と、同モールが入居するピーコックストア千里中央店が4月30日に閉店する。1970年のオープンから街と共に歩んできたシンボルが、また一つ終わりを迎えることになった。オトカリテが入居するピーコックストア千里中央店は、大丸ピーコック千里中央店として1970年にオープン。万博の開催を直前に控えていた当時、周辺の阪急百貨店や専門店街(現在のせんちゅうパル)とともに、新しい街づくりが急ピッチで進められる中で誕生した商業施設だ。

当時の大丸ピーコックは、食料や衣類はもちろん、生活用品やおもちゃ、家具家電など、暮らしの必需品から当時最先端のものまで手に入る場所として人気を集めた。また、屋上には遊園地やテニスコートもあり、幅広い世代が楽しめる場所でもあった。1973年のオイルショックで起こったトイレットペーパーの買い占め騒動は、この店から始まり全国へ広がったとされている。

50年以上にわたり地域と共に歩んできたこの店も、施設の老朽化を理由に4月いっぱいで閉館する。オトカリテの運営を2019年から担うイオンモールで、マネージャーを務める盛貴恵美子さんは「私たちが担当したのは、長い歴史のほんの1ページ」と語りつつも、惜しむ声を受けながら最後の時間を過ごす。なお、店舗がある場所は再整備計画の対象となっているが、今後の具体的な方針は未定となっている。

1月から続く閉店セールもいよいよ終盤に差し掛かった。4月1日からは最後の「カウントダウンセール」が始まる。そのほか、1階フロアでは千里中央の歴史をまとめた特別展や、ウォールアートやメッセージボードの展示もされている(いずれも観覧無料)。

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