【健康寿命をのばそう】神戸大学が提案する認知症予防プログラム「コグニケア」
2020.01.29
文理融合の先進的な研究を実践する神戸大学が「認知症予防プロジェクト推進室」を設立。発症前からリスクを減らしておく「予防」をキーワードに多面的に認知症の発症リスクをケアしていく教室を展開している。
コグニケアで認知症予防
「コグニケア」とは、頭の認知機能を意味する「コグニティブ」と「ケア」を組み合わせた造語で、健康寿命を自発的に伸ばしたいと考えるシニアのために同大学が運営する、体力と認知機能の維持を目指すプログラム。同大学院保険学研究科リハビリテーション科学領域教授の古和 久朋氏を中心に、ITや人間発達環境学など幅広い研究領域からのアプローチができる総合大学の強みを生かし、長期的に同プログラムの普及を目指す。利用者に実践してもらいながら研究データを分析し、実証結果をフィードバックする仕組みを作っている。
神経内科専門医、認知症学会専門医でもある古和教授。医学の観点だけではなく、社会課題として取り組みをスタート。9月5日、同大学100年記念館で開催される講演会にも登壇予定。
発症前の早期ケアを習慣に
予防教室では有酸素運動をしながらしりとりをするといった「二重課題運動」に加え、病気のリスクや生活習慣の改善について学ぶことができる。同大学に通うことは高齢化社会や、独居などで問題視されている社会性のつながりの維持の面でも有効と考えられる。現在、利用者は約100名。認知症は発症してからでは対応が難しいのが現状。発症リスクを減らすためには医療分野外からの早期介入が重要と言われている。コグニケアに年齢制限はないが、定年後に交遊範囲を広げたい方や生活習慣病を予防したい方など、前向きに健康を考えるシニアが増えているという。
神戸大学 学術・産業イノベーション創造本部PAD推進室
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