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-高槻市- 高槻の環境会社と24歳の若者がめざす 最年少でのヨット単独無寄港無補給で世界一周

2023.12.09
笑顔で出発する木村さん。

 

高槻市の会社に勤める木村さんが、現在ヨットでの単独無寄港・無補給で
世界一周の航海に出ている。その挑戦の理由を聞いた。

会社のプロジェクトとして大きな夢に挑戦

10月22日に兵庫県西宮市の新西宮ヨットハーバーを出発し、ヨットでの単独無寄港・無補給での世界一周に挑戦している若者がいる。24歳の元自衛官、木村啓嗣(ひろつぐ)さんは高校時代から部活でセーリングに魅せられ、いつしかヨットでの世界一周を夢見るように。高校卒業後は、海上自衛隊へ入隊し潜水艦勤務に就くが、「一度きりの人生、本当にやりたいことに挑戦したいと思っていた時に、今、勤めている会社の濵田社長に出会いました」。

株式会社浜田(高槻市真上町)は昭和44年に金属くずを扱うスクラップ業者として創業。現在は、スクラップ事業、産業廃棄物事業を中心に、日々新たな取り組みにもチャレンジし、サーキュラーエコノミーという切り口から環境問題解決に取り組んでいる。 濵田社長は「木村君と出会い、彼からその夢を相談された時、弊社の社員として一緒に夢を実現させてみないか、と提案しました」と話す。その後、社員として木村さんが入社し、準備期間を経て正式に会社としてのプロジェクトが立ち上がった。

濵田社長と一緒に。

インスタグラムで航海状況を発信美しい夕日を眺めることも

11月19日、木村さんは太平洋上の日付変更線を超え、経度が東経から西経に変わる瞬間をインスタグラムで伝えた。「海上では、アホウドリなどの鳥たちがヨットに遊びに来てくれます。彼らが来るということは海況が安定している証拠なんです」と木村さん。また風が弱い割に波の高い日がいちばん体力を消耗するという。そんな時は特に食事が楽しみだそうで、レトルトカレーやスープ、パックライスなどのメニューもインスタグラムで見ることができる。

木村さんが乗るmilanda(ミランダ)号。

ここから先、木村さんは東進したのち太平洋を南下し、ヨット乗りの間では難所とされる南米大陸のホーン岬沖を通って、アフリカ大陸の南を進み、オーストラリア大陸の右側を通って、来年の5月頃に日本へと戻ってくる。

このヨットでの単独無寄港無補給世界一周は、成功すると日本人史上5人目、かつ日本人最年少記録となる。現在の最年少記録は海洋冒険家の白石康次郎さんの26歳10か月20日(176日間)だ。

濵田社長は「ヨットは風の力だけで帆走し、必要な電気は太陽光、水力で発電するなど、自然エネルギーと共に、そして地球と共に成し遂げる挑戦となります。地元の皆様にも応援していただくことが、大きな力になると思います」と期待を寄せる。

船のダメージチェックも怠らない木村さん。

 

海鳥たちの来訪も日常の光景だ[インスタグラムより]。

 

Instagram「go_around_re_earth」

記事内の情報は取材当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。