新たな商業施設も誕生予定 変革の時を迎える千里中央
2019.11.27
日本初の大規模ニュータウンとして1962年にまちびらきした千里ニュータウン。その交通の要所として、また中核として、1970年の大阪万博開催に合わせて開業したのが北大阪急行電鉄・千里中央駅だ。北摂随一の大規模な生活都市としてだけでなく、計画的なまちづくりの中において整備された豊かな緑や公園を有するなど、多様性に富んだ街として長らく発展し続けてきた。そんな千里中央地区が今、変革の時を迎えているという。
豊中市と駅周辺地権者などで構成する「千里中央地区活性化協議会」は、今年3月に「千里中央地区活性化基本計画」を策定した。今後10年程度の間に取り組むべき方向性や方針を示したもので、その中には新たな街づくりによる活性化を目指した内容が含まれている。基本計画には大きく分けて二つの注目すべき点がある。一つは2023年度に予定されている北大阪急行電鉄の延伸。そしてもう一つ、当該地域内にある大型施設の老朽化によって再開発の必要性に迫られていることだ。
交通面での再整備については、北大阪急行の箕面方面への延伸を契機に、今まで分かりにくかった公共交通の乗換動線をわかりやすくし、阪急バス乗降場を北大阪急行駅中央改札付近に集約・再配置する。また、散在している駐車場を再編することで今まで駅を挟んで東西で偏りがあった回遊性を向上させたいとしている。
商業面においての再整備も進められている。商業エリアと位置付けている東町ゾーン、その中央部が再整備検討対象とされており、阪急阪神百貨店を傘下 に持つエイチ・ツー・オー リテイリングは千 里阪急と今年5月末をもって閉館した千里セルシーの一体開発を発表している。延床面積は10万㎡級と大阪府下でも最 大級。阪急系列の商業施設を運営する 事業体だけに、百貨店である千里阪急 を中心に様々なショップが入る「西宮ガー デンズ」のような商業施設の誕生が噂されているが、詳細はまだ発表されていない。
南西部の先行開発区域では読売新聞や関西電力グループが再整備を進めた 「SENRITO(センリト)」がオープン済み。よみうり文化センターと周辺地域が、タワーマンションとイオンSENRITO専門店、その他約60の店舗やクリニックに生まれ変わり、これらはすでに運営されている。
2 0 1 7 年にオープンした SENRITO
千里中央地区は都市再生緊急整備地域に指定され、全国的にも都市の再生を図るべき拠点と位置付けられている。日本初の大規模ニュータウンとして千里ニュータウンを誕生させた時と同じように、今回の活性化計画も、都市再生の全国模範となりえるだろうか。
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