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-豊中市- 子どもから大人まで日常的に野球に親しみ、スポーツの良さを感じあえる社会へ

2024.08.04
北摂ベースボールアカデミーでは、野球教室も行っている。なにより野球ができる楽しさを
体験してもらうのが最優先。練習の最後は試合をするので盛り上がる。

 

まずは「野球って楽しい」と思える瞬間をたくさん作ること

ボール遊びができる公園の減少など様々な原因で子ども達の野球離れが進む中、「野球の魅力を伝えたい」とNPO法人北摂ベースボールアカデミーを立ち上げた植松さん。中学生で野球を始め、筑波大学ではスポーツ経営学を専攻。野球のトレーニングコーチとして活躍してきた。

「野球を好きで始めた人が、プレイヤーでなくなっても生涯関わっていられるようにしたいんです。そこで子どもはもちろん、大人になってからも気軽に始められる環境づくりを進めています。他のスポーツをやっているけれど野球もやってみたい子、子どもとキャッチボールをしたい保護者、できる機会がなかった女性など、みんなが楽しめる場を作れたら・・・と」。

そこで昨年、地域を巻き込むイベント「新千里野球まつり」を開催。野球をはじめ、様々なスポーツの体験コーナーに加え、町別対抗野球大会も行い、観戦できるようにした。2日間で1,500名以上の人が集まり、野球への関心を深まったと感じた。

北摂ベースボールアカデミー理事長の植松さん

「豊中スポーツまつり」を豊中の伝統行事にして盛り上げたい

今年はさらにスポーツ全般を楽しめる「豊中スポーツまつり」を10月に開催する。「スポーツという要素を入れることで、今までにない新しいまつりをめざしたい。盆踊りのように、子どもから大人まで、初心者でも楽しめるような気軽さでスポーツを楽しんでほしい」と植松さん。

昨年、開催された「新千里野球まつり」の様子。

北摂各市で開催されている市民まつりのように、その町ならではのまつりとして定着すれば、町の魅力になっていく。「町なかで、そろそろスポーツまつりの季節がきたな、みたいな会話になればうれしい」と植松さんは話す。

地域が1チームとなる結束力が地域活性化に繋がっていく

植松さんにはまだその先の目標がある。「豊中スポーツまつり」を北摂一帯まで広げることだ。豊中チームVS吹田チームのように、町の中から選ばれた人たちが町の代表として隣町と試合をし、プレーする人だけでなく、応援する人もチームの一員に。

10月13日・20日に開催される。

「高校野球も、野球に関心がない人でも母校が出れば応援したくなるもの。スポーツは、そういった熱い想いや応援する力が自然と湧いてくるんです。隣町と交流することで互いの町を行き来するようになり、北摂が賑やかになっていく。そこを目指したかったので、“豊中”でなく“北摂”ベースボールという名前にしたんです」と語る。豊中は高校野球発祥の地であり、野球に縁があるまち。植松さんはこれからも野球を通して、地域活性化をめざしていく。

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