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-高槻市- クラフトビールづくりを通して支援対象の仲間たちが輝ける場所に

2024.11.05
高齢者施設で勤務後、龍谷大学短期大学部の社会福祉学科で教鞭を執っていた川﨑さん。
現在は社会福祉法人つながりの理事長も担う。

 

JR摂津富田駅の近くに、新たに誕生した「BEER BASE TAKATSUKI」。このブリュワリーが目指すのは、様々なハンデや生きづらさをかかえる若者たちを巻き込んだクラフトビールづくりだ。

イオンフードスタイル摂津富田店の前にある。

NPO法人と社会福祉法人の理事長同士で立ち上げた

「BEER BASE TAKATSUKI」は、何らかの事情で「生きづらさ」をかかえる若者に、生活の立て直しや就労支援の場を提供するNPO法人と、障がい者の暮らしを支える社会福祉法人の理事長同士が立ち上げた小さなブリュワリーだ。

「障がい者の就労支援制度にはA型やB型がありますが、決まった日と時間に事業所に行けない人もいます。そんな制度利用が難しい人たちが関われる場所を作れたら・・・という想いからスタートしました」と話すのは、株式会社C-style代表取締役の川﨑昭博さん。社名には、AでもBでもなく、Cがあってもいいのでは?という2人の想いが込められている。

クラフトビールづくりは、主に取締役の小林將元さんが行い、川﨑さんは瓶詰めやラベル貼り、経理全般を担当している。「飲みの席で、そういった仲間たちの居場所を作りたいね、という話になり、2人が大好きなクラフトビールでやってみようということになりました」。醸造免許取得はハードルが高く、構想3年、準備に1年かかり、また機材の調達や税務署とのやりとりなど、販売ができるようになるまで、多くの時間と労力を費やしたという。

クラフトビールの原料であるモルトのミルを行う小林將元(まさゆき)さん。小林さんは若者支援やひきこもりの支援をしているNPO法人クラウドナインの理事長。

高槻産の食材とのコラボも積極的に取り組んでいきたい

現在は6種のクラフトビールを製造していて、北米産モルトとアメリカンホップを使ったスタンダードなものから、中には糖度の高い栗と小麦を使用したヴァイツェンや、ほうじ茶を使ったスタウトなどがある。「今後は高槻産の米粉を使ったり、マイヤーレモンやブルーベリーを使ったコラボビールも作っていきたい」と夢は膨らむ。

クラフトビールを造る工程に支援の必要な仲間を巻き込む

川﨑さんたちの最終的な目標は、このクラフトビールづくりを、支援対象となる仲間たちの働く場として活用していくことだ。今は、出来上がったビールを川﨑さんが瓶詰めをして、打栓機を使って王冠栓をしているが、ビールの仕込みも含めたこれらの作業を担ってほしいと考えている。

「就労継続支援B型の就労報酬は利用者が取り組みやすいよう、軽作業を多くしているため工賃が安いんです。ここで働くことで収入が少しでも増えれば、障がい者年金と合わせて自立することも可能になると思うんです」。他にも小林さんのNPO法人の事業所では、農業に携わっている人もいるため、その農作物を副原料にしたクラフトビールを作ったり、イベント等に参加して、その場で試飲してもらったり、販売するなど、様々な活躍できる『場』を作っていきたいと話す。

「たとえば、今は購入しているこの瓶をいずれは煮沸消毒をして再利用できる仕組みを作りたいと考えています。その時にラベルをはがして、下洗いするまでを作業所に依頼すれば、それも一つの仕事になります。〝クラフトビールづくりは大変だけど、楽しい!〟と情熱を持って取り組んでもらえるようになればうれしいですね」。

6種のクラフトビールは店舗で購入可能。1本各660円。

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