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俳句コーナーVOL.66 入選作品を紹介!

2025.03.01

1月25日締切りでご投句いただいた中から、
山口昭男先生に入選作品を選んでいただきました。

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【 優秀賞 】

日めくりに程よき千切れ花薺

横浜市 沼野大統領
薺の花が咲く頃の日めくりの千切れを詠いました。「ほどよき」に説得力があります。はじめの方はぎこちなく千切れてゆく日めくりですが、春になる頃には千切れは馴染んできます。

 

【 入 選 】

六面の雪の結晶舌に受く

大阪市 小倉 佳子
具体的に六面と表したことで舌の上の雪がくっきりと見えてきます。

くろぐろと画鋲の穴や寒に入る

日野市 平井 都々
画鋲の穴を俳句にしてしまったところの手柄です。季語も適切です。

燗酒の頃合ひ知りぬ文化干し

豊中市 山上 秋葵
「文化干し」という言葉にはじめて出合いました。燗の頃合いも然りです。

日向ぼこ手のひらほどの日当りに

高槻市 黒田 豊子
手の平ほどの日当たりでも暖かさが伝わってきます。やさしい一句です。

ウクレレの木目やはらか十二月

和泉市 押見げばげば
季語が全てを物語っています。ウクレレの木目が季語を選んだようです。

 

【 佳 作 】

半分こ春分の日のメロンパン

豊中市 安藤 知明

シーソーの薄き埃や春隣

吹田市 秋山  寛

タイトルを少し大きく冬ざるる

熊本市 貴田 雄介

冬夕焼みんな上手に死んでゆく

吹田市 堀井咲千子

フランクに政治の話ブロッコリ

大阪市 宮本 隆邦

 ◆ つぶやき評 ◆ 
このコーナーを五年以上続けてくると、継続して投句をしてくださる方の頑張りやチャレンジが伝わってきます。定型に慣れ、切れを活用し、季語を選ぶことなどで、俳句を楽しんでいらっしゃるのが嬉しいです。

 

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〈 選 者 〉 山口 昭男(やまぐち あきお)

1955年 神戸市生まれ。1980年「青」に入会。波多野爽波に師事。
2000年「ゆう」入会。田中裕明に師事。編集担当。
2010年俳誌「秋草」を創刊し主宰する。毎月発行。句集に『書信』『讀本』『木簡』『礫』がある。
2018年句集『木簡』で読売文学賞受賞。日本文藝家協会会員。

 

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【 俳句の応募方法 】
氏名・住所・年齢・明記のうえ、ハガキ、封書、FAX、下記の応募フォームのいずれかからご応募ください。

【 宛 先 】
〒566-0001 大阪府摂津市千里丘1-13-23
株式会社シティライフNEW 俳句係まで
FAX 06-6368-3505
https://pro.form-mailer.jp/fms/f413b102177160

【 応募フォーム 】
※締め切りは毎月25日必着
※いずれも一人5句まで
※掲載は次々号となります
※佳作は掲載をもって発表とさせていただきます。
※お名前と作品を掲載します。

 

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山口昭男先生の最新巻の紹介

シリーズ自句自解Ⅱベスト100 山口昭男定価1500円+税 版元 ふらんす堂

既刊句集より100句抄出して著者みずからが解釈を付したもの。一句が出来上がるまでの作家の推敲のあとをたどることができ、実作者の句作りにおおいに役立つ入門書である。(Amazonなどで販売中)

 

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