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20歳の監督が撮った 映画「真言アイロニー」 尼崎で完成披露試写会を開催

2019.12.27

神戸市にある真言宗御室派 梵天山「宝珠寺」の第十七世 住職 : 平井尊士(ひらいたか し・そんし)氏が急逝したのは2017年12月 23日のこと。父親の仕事の関係で平井氏 と懇意にしていた石原ひなたさん(当時19 歳)はADHD(注意欠陥・多動性障がい) で生き方に悩むなか、平井氏と過ごした 短い時間の中で『自分らしい生き方』『生 かされている意義』を見出し始めていた。

「中学生の頃、父が仕事で結婚式の映 像撮影を頼まれた際、〝サービスで写真撮 影をしたいのだけれど、お前が撮ってみる か?〟と父に言われたのがこの仕事を始め るきっかけでした」とひなたさん。撮った写 真を見て、新郎新婦が感動してくれたこと で、初めて人に認めてもらう喜びを経験し たと言う。「そうやって、父の仕事を手伝う 中で、平井さんと出会いました。僧侶であり、 大学の教授でもあった人ですが、いつも豪 放磊落(らいらく)で、僕のADHDの特性 にも困っていた様子はなかったです」。

生前、平井氏は〝ひなたくんが写真や映 像の仕事で大きな賞を取ったら、おいしい ステーキの店に連れて行ってあげる〟とよく 言っていたそう。「それは賞が大事なんじゃ なくて、賞をとって、いろんな人からの信頼を 得て仕事ができるような環境を作りなさい、 ということだったと思います」とひなたさん。

映画では、平井氏を中心にそれぞれの人のドラマが描かれている。「ストーリーは、配役のほとんどすべてにモデルとなる人物が存在する【ファクション】(faction)の群像劇になっています。この映画を作りたいと思った動機は、平井さんを二度死なせない(彼の生きた記憶を人々の脳裏から風化させない)という思いからでした」とひなたさん。映画製作のための多額の費用も自身で各方面に出向き、集めたという。

オフィシャルサイトでは、180秒の予告映像を見ることができる。北摂や阪神間の見慣れた風景が、ひなたさんの感性で物語の舞台となり、登場人物の想いが伝わってくる。全編を見たくなる作品だ。

石原ひなた DIRECTOR/CINEMATOGRAPHER
1998年11月20日生まれ。illi237代表。
現在、大阪芸術大学映像学科に在学中。

映画「真言アイロニー」 完成披露試写会
2020年1月18日(土)
開場13時/上映13時45分~
あましんアルカイックホール・オクト
尼崎市昭和通2-7-16
阪神電車「尼崎」駅から徒歩約5分

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無料ご招待先着30名様
下記リンクのオフィシャルサイトの応募フォームよりお申し込み後、チケットが届きます。
https://singone-movie.com/exhi-form/

企画・制作:AYULA ADVERTISEMENT/illi237
公式サイト https://singone-movie.com/

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