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俳句コーナーVOL.74 入選作品を紹介!

2025.11.02

9月25日締切りでご投句いただいた中から、
山口昭男先生に入選作品を選んでいただきました。

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【 優秀賞 】

西梅田七番出口鰯雲

吹田市 高嶋 文範
名詞だけで出来上がった句です。西梅田の七番出口から出た時の鰯雲との出合いに、ほっとしたことでしょう。梅田の地下街はおおよそ想像できます。喧騒を抜けて来ての鰯雲に万感の思いが込められています。

 

【 入 選 】

目覚めれば体に秋がそっと添う

大阪市 小倉 佳子
秋というのはこんなものだということが、この句から伝わってきます。

埋め尽くす賞状銀漢に隙間

名古屋市 四條たんし
居間にはずらりと表彰状。空には隙間のある銀漢。気持ちよいコントラスト。

四季のなき病室の窓小鳥来る

高槻市 葉月庵郁斗
窓からも季節は見えますが、病室では難しい。それでも小鳥はやってきます。

らくがんの葉脈深し秋の声

和泉市 押見げはげば
澄んだ空気の中の音。葉の形の落雁にも秋を感じています。

落語家の蕎麦食ふ仕草秋深し

日野市 平井 都々
落語家の音を出しながらのあの仕草に、秋の深まりが伝わってきます。

 

【 佳 作 】

仏飯をよそふままごと女郎花

横浜市 岩橋 宣輔

トランプの真白八月十五日

横浜市 岩橋 宣輔

ぼんやりと月に癒され風に癒ゆ

高槻市 黒田 豊子

ひとり言多くなりけり秋燕

吹田市 堀田恵美子

露光る草の名声に出してみる

吹田市 はらこまゆ

 ◆ つぶやき評 ◆ 
暑い夏もいよいよ終わり、秋がやってきました。とすると、すぐに冬になってしまいます。昨今の日本は夏が長く、秋が短い。この気持ちのよい空気をたっぷり味わって、秋の俳句を思う存分作ってください。

 

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〈 選 者 〉 山口 昭男(やまぐち あきお)

1955年 神戸市生まれ。1980年「青」に入会。波多野爽波に師事。
2000年「ゆう」入会。田中裕明に師事。編集担当。
2010年俳誌「秋草」を創刊し主宰する。毎月発行。句集に『書信』『讀本』『木簡』『礫』がある。
2018年句集『木簡』で読売文学賞受賞。日本文藝家協会会員。

 

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【 俳句の応募方法 】
氏名・住所・年齢・明記のうえ、ハガキ、封書、FAX、下記の応募フォームのいずれかからご応募ください。

【 宛 先 】
〒566-0001 大阪府摂津市千里丘1-13-23
株式会社シティライフNEW 俳句係まで
FAX 06-6368-3505
https://pro.form-mailer.jp/fms/f413b102177160

【 応募フォーム 】
※締め切りは毎月25日必着
※いずれも一人5句まで
※掲載は次々号となります
※佳作は掲載をもって発表とさせていただきます。
※お名前と作品を掲載します。

 

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山口昭男先生の最新巻の紹介

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