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-豊中市- 北摂初 豊中市職員が課題をプレゼン 企業から解決策を募る「リバースピッチ」

2025.11.05

豊中市は、地域が抱える具体的な課題に対し、スタートアップや民間企業のアイデアとノウハウを呼び込む画期的な取り組み「豊中版リバースピッチ」を実施した。これは、従来の行政主導の公募とは異なり、自治体が自ら課題を外部に提示し、その解決策となる提案を募るという、従来の公募とは逆の斬新な手法である。停滞しがちな自治体DX(デジタルトランスフォーメーション)や地域課題解決を加速させるものとして注目を集めている。

「リバースピッチ」とは、企業や自治体が抱える具体的な「課題」や「ニーズ」を提示し、それに対して外部の民間事業者から解決策となる提案を募る形式のイベントである。この逆転の発想により、行政の「真のニーズ」と、スタートアップの持つ「最新の技術や柔軟な発想」とが直接結びつき、新たな官民連携や実証実験(PoC)の創出を狙う。

豊中市が今回発信したのは、市民サービスや地域活性化に直結する15の具体的な課題であった。これには「ペットオーナーサポート」「図書館のデジタル化」「スタートアップ創出ネットワークの構築」などが含まれ、これに対し52社の企業が参加した。

このリバースピッチは、地方自治体が抱える課題を解決する有効な手段として全国的に広がりを見せている。愛知県豊橋市や岐阜市なども同様の取り組みを進めており、行政が外部の知恵を積極的に活用する機運が高まっている。

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