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-高槻市-災害時の給水機能強化を図る「貯水機能付給水管」導入

2025.12.15

高槻市で、災害時に水道の断水・濁水が発生した際の水道水確保策として、水道部敷地内に設置を進めてきた貯水機能付給水管が完成。同給水管設置は大阪府内で初となり、2026年度からは、5年間で市内小中学校10校に同給水管を順次設置し、災害発生時の給水機能強化を図るという。

高槻市では、2018年6月18日の大阪府北部地震で 2 日間にわたり各所で断水・濁水が発生し、各避難所に多くの市民が水を求めて長蛇の列が発生した。こうした経験や、近い将来に南海トラフ巨大地震の発生が予測されていることなどから、災害に強い水道整備のために、基幹管路、災害拠点病院・救護所・避難所等の重要施設に接続する管路を中心に耐震化を進めていて、災害時に避難所となる市立小中学校(59 校)に接続する管路は2030年度までに49校の耐震化が完了する予定だ。

貯水機能付給水管は地上に設置された、給水管の一部が球状の貯水タンクとなっているもので、平常時はこの中を水道水が滞留することなく常に循環している。大規模地震等による断水時には、タンク内には常に水が貯まっていることから、タンクに備え付けられた蛇口から給水することが可能だ。
水道部庁舎南側に設置された貯水機能付給水管は、2 立方メートルの水道水を貯水でき、これは、222人の3日分の飲用水(1人あたり1日3リットル)に相当。平常時は、災害発生を見据えた応急給水訓練等に活用し、実際の災害時には、タンク内の水を住民に配布することも可能。
管路の耐震化には長い年月が必要であるため、未耐震化区間では、耐震化に先んじてこの給水管を設置することで、断水が生じた場合にも迅速な給水が可能となる。

 

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