俳句コーナーVOL.76 入選作品を紹介!
2026.01.02
11月25日締切りでご投句いただいた中から、
山口昭男先生に入選作品を選んでいただきました。
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【 優秀賞 】
日向ぼこ人も本にも背のありて
日野市 平井 都々
日向ぼこをしている人を後ろから見ています。横には読みかけの本も。二つ並んで気の着いたのが背中。温かそうな人の背中の横にもたれかかるようにある本の背。この二つに焦点を当てたことがよかったです。
【 入 選 】
吊革に冬の蠅ゐる重さかな
千歳市 村瀬ふみや
吊革の冬の蠅を見ると今まで感じなかった重さが気になります。冬なのです。
ひょっこりと鼻の頭に風邪の神
高槻市 葉月庵郁斗
風邪のひきはじめでしょうか。早く退散してほしい。そんな思いです。
竹の葉の擦れ合ふ音も風は秋
吹田市 秋山 寛
下五の「風は秋」でぐっときました。擦れ合う音に秋を見ました。
ひとりでに縮れる輪ゴム小六月
岡山市 沼野大統領
輪ゴムをほどけば縮れる。何もしていないのにです。季語が働いています。
母親の時を象りセーターに
熊本市 貴田 雄介
お母さんの形になったセーターが吊ってあります。「時を象り」が詩的です。
【 佳 作 】
回廊へ永代経と秋風と
茨木市 藤井 晶子
ひとり言多くなりけり秋つばめ
豊中市 武市 修
譜面台叩くタクトや十二月
高槻市 葉月庵郁斗
出雲路の蒲の穂太く逞しき
高槻市 黒田 豊子
お茶漬けにあられさざ波ちちろ鳴く
和泉市 押見げばげば
◆ つぶやき評 ◆
俳句では限りなく思いを消すことです。思いを言葉にしてしまうと読み手への押し付けとなってしまいます。伝えたいことは物や季語に託すことです。それらを鮮やかに描くことができれば、思いは伝わります。
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〈 選 者 〉 山口 昭男(やまぐち あきお)

1955年 神戸市生まれ。1980年「青」に入会。波多野爽波に師事。
2000年「ゆう」入会。田中裕明に師事。編集担当。
2010年俳誌「秋草」を創刊し主宰する。毎月発行。句集に『書信』『讀本』『木簡』『礫』がある。
2018年句集『木簡』で読売文学賞受賞。日本文藝家協会会員。
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【 俳句の応募方法 】
氏名・住所・年齢・明記のうえ、ハガキ、封書、FAX、下記の応募フォームのいずれかからご応募ください。
【 宛 先 】
〒566-0001 大阪府摂津市千里丘1-13-23
株式会社シティライフNEW 俳句係まで
FAX 06-6368-3505
https://pro.form-mailer.jp/fms/f413b102177160
【 応募フォーム 】
※締め切りは毎月25日必着
※いずれも一人5句まで
※掲載は次々号となります
※佳作は掲載をもって発表とさせていただきます。
※お名前と作品を掲載します。
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