ヨドコウ迎賓館で「雛人形展」開催中
2020.03.06
芦屋市のヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)で「雛人形展」が2月15日に始まった。展示されている人形は、建築主である山邑酒造株式会社(現在の櫻正宗株式会社)の8代目当主が長女の誕生を祝い京都の老舗「丸平大木人形店」に依頼したもので、時代を超えた美しさを持つ人形群を堪能できる。4月5日まで。
同館では1991(平成3)年に淀川製鋼所が所蔵することになった翌年から、毎年ひな祭りの時期に一般公開している。丸平大木人形店は二百有余年の歴史を持つ老舗。有職故実に基づく典雅にして華やかな作風は、国内外の博覧会において数多の受賞歴を誇り、京人形・ひな人形の逸品として賞賛されている。
花観人形
人形群の展示は「雛人形」「花嫁人形」「花観人形」の3つの構成になっている。「雛人形」の内裏びなはどちらも高さが45センチもあって豪華な衣装をまとい、女びなの脇の天冠の中央には桜色のサンゴが細工されている。
内裏雛・居稚児
内裏びなの下の段の居稚児(いちご)は7~9歳ぐらいの公家の子が行儀見習いに出仕する姿にならい、官女の配置も独特なもの。ひな壇の調度品はすべて本漆に桜正宗にちなんだ八重桜の金の蒔絵が施されており、人形の優雅な顔立ちや豪華な衣装など希少価値の高いものばかりだ。
明治天皇・皇后
人形の髪の毛は絹糸を縫い付けて結い上げられたもので、「花嫁人形」では優雅な髪型に仕立てられている。「花観人形」は、大礼服をまとった明治天皇・皇后(昭憲皇太后)の見立て人形を中心に、17体の人形や桜や松などの造りものによる花見の宴が写されている。それぞれの人形の着物や髪型、表情が細かく表現され、島田髷(しまだまげ)の若い女性の人形が履く草履の鼻緒は紅色、白髪の年配の女性の人形はよく見ると顔にほうれい線のようなものが見える。
花観人形群(中央が姫君)
展示のある3階和室では、スタッフが人形についての説明を行っている。
外観・車寄せ
ヨドコウ迎賓館
兵庫県芦屋市山手町3-10
開館日 雛人形展期間のみ火・水・金・土・日曜日、祝日
(通常は 水・土・日曜日、祝日 )
開館時間 10時~16時(入館は15時半まで)
入館料 大人500円、小・中・高校生200円ほか
TEL 0797-38-1720
https://www.yodoko-geihinkan.jp/
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