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俳句コーナーVOL.9 2020年3月入選作品を紹介!

2020.05.01

3月25日締切りでご投句いただいた中から、山口昭男先生に入選作品を選んでいただきました。

優秀賞

雉鳴くや動くともなき畑の人       神崎市  西 敬介

春先の畑。人が耕しの仕事をしていますが、動いているようでいて動かない。遠いところから見ているのでしょうか。雉のケーンケンという鳴き声だけが青空に響いています。春の始まりが広がってゆきます。

 

 

老僧も子僧も寡黙頬被          高槻市  浜田 淳江

家の仕事のために手拭を顔に巻いている親子の僧。寡黙がよいです。

 

素気なく冬小走りに雲つれて       茨木市  廣田 静子

愛想もなく冬が雲を連れて来たという捉え方が面白いです。

 

赤子の背叩けばぷかり春の雲       箕面市  大石 典子

赤子の背を叩いたことと春の雲とは無関係。これが俳句です。

 

漆喰にふうわり桃の花の影        箕面市  高橋 真美

漆喰の白さが目立つ家並。そこに桃の花の影がくっきり。「ふうわり」が絶妙。

 

つつがなく一日終り蜆汁         西宮市  井上 未紅

平凡な一日が何事もなく終わったという安堵感。締めは蜆汁です。

 

佳作

菜花咲く腕まくりして水仕事       西宮市  宮部志津枝

爆音のはるか消えゆき春うらら      芦屋市  石井 直子

菜の花の黄を引きのばす電車かな     高槻市  浜田 淳江

春寒やぶるつとしたる日が隠れ      茨木市  親里 礼

潮干がた父の足跡なぞりきて       芦屋市  田中キミヨ

 

 

つぶやき評

どうしてもたくさんのことを伝えようとして言葉が多くなります。俳句は、言葉を減らす文芸です。読み手に分かってもらうためには適切な季語を選ぶことです。思い切って詠いたい内容から季語を離す冒険も試みてください。

 

選者 山口 昭男(やまぐち あきお)

1955年 神戸市生まれ。1980年「青」に入会。波多野爽波に師事。2000年「ゆう」入会。田中裕明に師事。編集担当。2010年俳誌「秋草」を創刊し主宰する。毎月発行。句集に『書信』『讀本』『木簡』がある。2018年句集『木簡』で読売文学賞受賞。日本文藝家協会会員。

 

 

【 俳句の応募方法 】
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[ 応募フォーム ]
※締め切りは毎月25日必着
※いずれも一人5句まで
※掲載は次々号となります
※佳作は掲載をもって発表とさせていただきます。
※お名前と作品を掲載します。

山口昭男先生の最新巻の紹介

シリーズ自句自解Ⅱベスト100 山口昭男定価1500円+税 版元 ふらんす堂

既刊句集より100句抄出して著者みずからが解釈を付したもの。一句が出来上がるまでの作家の推敲のあとをたどることができ、実作者の句作りにおおいに役立つ入門書である。(Amazonなどで販売中)

 

※この度の緊急事態宣言を受け、シティライフは4月8日から取材・制作・営業活動を自粛いたしました。そのためシティライフ5月号( 4月25日配布)の発行及び配布が困難な状況になり、やむなく休刊させていただくことになりました。ご投句いただいたいている皆さまには、紙面でのご紹介ができず、申し訳ございません。心よりお詫び申し上げます。

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