社会で子どもを守ろう!クラウドファンディングで「子育て世代が知っておくべき、日常に潜む危険を伝える本」づくりを支援
2020.05.03
ワンオペ育児・産後うつ・虐待・貧困・防犯・防災など、子育てにおける様々な問題がクローズアップされるようになった。しかし現在でも取り上げられない問題がある。それは「子どもの事故予防」だ。
大阪大学大学院で「子どもの事故予防」について研究する岡まゆみさんは、水難事故で夫を亡くした経験から事故予防全般について訴えていた。(「子どもの水難事故」の記事 https://citylife-new.com/newspost/1289/)
岡さんは「子どもの事故は日常的に起きています。交通事故やベランダ転落事故、川やお風呂での水難事故と、ニュースでよく耳にしているのに、「事故予防」について改めて教えてもらえる機会がありません。しかも事故が起きれば、世間は一方的に母親を責める傾向にあり、母親だけで子どもを守るという負担が、ワンオペ育児問題や産後うつになる要因のひとつになっています。それらを根本的に解決するには、父親はもちろん、周りの大人全員、そしてお子さん本人が事故予防について考えなくてはいけないんです」と警鐘を鳴らす。
書店に並ぶ子育て本には、母親をターゲットにした本が多い。そして「母子手帳」が「親手帳」でないことにも岡さんは疑問をもつ。「父親も子どもの行動特性を知れば、母親と協力しあうのではないか。男性と女性が一緒に「子どもの事故予防」を学ぶことが一般的になれば、子どもがいない人達も含め、子どもの安全を守る風土が社会全体に広まるのではないか、そう考えました」と話す。
そこで、同大学による「共創による社会課題解決プロジェクト」(https://readyfor.jp/lp/osaka_univ/index.html)で、まずは豊中市から発信できるよう同市の子育て世代に調査の協力を仰ぎ、クラウドファンディングを募って「パパ必読!子どもの安全を守る本」の出版を企画した。親しみやすいイラストを中心に、読書が苦手な人でも短い文章で読みやすくわかりやすく「子どもの事故予防」を解説する予定だ。「豊中市から全国に行き渡り、ブックスタートの中の1冊、または母子手帳と共に配られる冊子になってほしい」と、岡さんはこの本の重要性を訴える。
筆者も子を持つ母親。親なら子どもの安全は誰しもが願うことだ。社会で子どもを守るため、この本が出版され皆に届けられればと思う。
クラウドファンディングは2020年5月11日(月)10:00よりスタート。
https://readyfor.jp/projects/bookstart
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