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神戸市「六甲山上スマートシティ構想」を始動

2020.07.17

神戸市は5月28日に「六甲山上スマートシティ構想」の始動を発表した。豊かな自然が広がる六甲山で、企業誘致や最先端テクノロジーの導入などを推進する方針だ。

スマートシティとは「都市が抱える諸問題に対して、ICT等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画・整備・管理・運営)が行われ、全体最適化が図られる持続可能な都市または地区」と国土交通省は示している。例えば、5Gの通信ネットワークや自動運転システム、AIを活用した省エネシステムといったテクノロジーを導入することが挙げられる。スマートシティが注目されるようになったのは、急速な都市への人口集中が理由の一つだ。世界の人口のおよそ50%が都市に居住しているといわれ、交通渋滞や大気汚染、犯罪、環境悪化などが問題となっている。このような問題を解決し、住みやすく魅力的なまちづくりを行う手段として世界中から注目されている。
神戸市ではこれまでも健康情報をデータ化するアプリの開発、AI-Smart空調の導入などスマートシティへの取り組みが行われてきた。サービスやシステムなど局所的な展開だったが、「六甲山上スマートシティ構想」は神戸市が大きく変わる取り組みとなりそうだ。

<構想を推進する3つの空間>
自然調和型のオフィス(没入空間)
オフィスとして利用可能な遊休保養所などの紹介・斡旋を行い、ビジネス向けの光回線による通信サービスを年内に開始する予定。それ以外にも、六甲山上にある既存の遊休施設などを立て替え・改修する際に最大3,000万円を補助する制度を創設。企業やクリエイターの進出を促進していくねらいだ。

最先端テクノロジー(実装空間)
人口減少や高齢化、エネルギー転換などの社会課題を、最先端テクノロジーを活用し解決する「Be Smart KOBE」プロジェクトを公募。今年度の公募は今夏を予定しており、山上で導入される技術としては、ドローン配送や遠隔診療等、山上の生活利便性を向上させる技術の提案が期待される。

創造を生むつながり(共創空間)
六甲山上の交流拠点となる「共創ラボ」を今年度内に設置。遊休施設等を活用したカフェや宿泊施設の一部をコワーキングスペースとして活用することで、クリエイティブな活動への地元事業者・住民等と新規事業者のコラボレーションを促進する。自然の中で働く体験イベント、セミナーやワークショップを開催するなど「様々な人が集まり、交流が楽しめる場」として活用されるようだ。

構想の拠点はガーデンテラスや高山植物園などがある観光スポットよりも、南側のエリア。もともとは企業の保養所が点在していたという。「1990年代に企業の保養所が200以上ありましたが、2018年には1/4以下となり、空いた施設が目立つようになりました」と神戸市担当者。そこで空き施設を有効活用すべく、これまで禁止されていたオフィス誘致を行うようになったのが、六甲山スマートシティ構想の発端だという。

神戸市は6月からオフィス誘致を開始している。企業からの問い合わせも多く寄せられており、関心の高さが窺える。プロジェクトは2023年度まで。神戸市は「神戸・六甲山の強みや個性を活かし、未来の変化に呼応しながら、六甲山上スマートシティ構想のテーマ“異なる要素を掛け合わせ、これまでにない発想を創造する”を実現するため、最適な環境を用意していきます」としている。

スマートシティが言われ始めた10年前は、エネルギーの効率化と最適化に焦点が当てられていたが、交通整備や健康増進への取り組みにも活用されるなど広がりを見せている。新型コロナウィルスが流行した際、韓国や台湾ではスマートフォンを用いた感染者の管理にも活用されたのも記憶に新しい。今後もデジタル技術を活かしたスマートシティへの取り組みはさらに加速していくだろう。

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