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オリジナル応援ソングで、甲子園の夢が絶たれた高校球児にエールを

2020.07.16

新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、中止となった「全国高校野球選手権大会」。大阪独自の高校野球大会の開催は決まったが、開会式も勝利チームの校歌斉唱もなく、3年生の保護者以外は観戦ができないので応援団もいない。そして何より淋しいのは、毎年盛り上がる「熱闘甲子園テーマソング」がない事である。

今年最終学年の球児をもつ保護者、坂東さんは「テーマソングがないとテンションが上がらない」という子どもの声でその事に気付いた。

球児のみんなが少しでも元気になるよう自分達で応援ソングを制作できないか、この想いに賛同して曲を作ってくれるアーティストはいないか。そう考えていた時に浮かんだのは、坂東さんと同じ箕面出身で、京セラドームでのプロ野球公式戦で3年連続国歌斉唱を経験し、箕面J-POP大使であるシンガーソングライター「北川たつや」さんだった。

(左)北川さん(右)坂東さん

 

北川さんは、つい最近、箕面のゆるキャラ「モミジーヌ」のテーマソングや、せんちゅうパル50周年記念「パルのうた」を作曲したばかり。「人の役に立つ歌を作っていきたいんです」と、地元北摂を活性化するべくたくさんの作曲活動をしている北川さんなら、きっと力になってくれるだろうと依頼すると快諾してくれたそうだ。

作詞するにあたり、北川さんは選手・マネージャー・保護者へのインタビューを行った。そこで印象に残ったのは「どんなことになっても野球ができると信じて練習を続けていた」「仲間と1試合だけでも一緒にできるのが嬉しい」という選手の言葉だったという。

練習ができない間もLINEで仲間どうし励まし合い、マネージャーはモチベーションを上げるために自主トレーニングの動画などを送っていた。「この経験はこれから絶対に活きるし、仲間と乗り越えてきたという強みになってほしい。それが今回一緒に応援ソングを企画した保護者達共通の願いです。この応援ソングは全員にとっての思い出になると思います」と北川さんと坂東さんは共に語る。

応援ソングはYouTubeで無料配信され、無期限での配信予定だ。
※2020年7月15日にアップされました

アコースティックギター1本での弾き語りにし、「誰かがどんどんコラボしていけるような参加型の曲」としている。

 

「今回は野球だけが注目されたけど、他の運動部や文科系の部活動は、高校最後の大会が開催されずに引退する子達がたくさんいる。そういった子達にとっても励みになれば」そんな気持ちが込められた応援ソングは、全国に元気を届けられそうだ。

 

 

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