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千里丘駅西地区の再開発が本格始動 2028年完成を目指す

2020.08.22

摂津市は今年2月、「千里丘駅西地区市街地再開発事業」について決定した。約60年前の都市計画決定に端を発した事業がついに本格始動。新たな市の象徴として期待される同地区は、2028年頃の完成を目指す。

府道正雀停車場線(千里丘ガード)と府道大阪高槻京都線に囲まれた約1.5ヘクタールの土地が市の施行区域。※計画案は現時点のものであり、決定事項ではありません。今後、この案をもとに検討を進めていく中で変更となる場合があります。

JR千里丘駅の駅前は、南北に走る京都線によって東地区と西地区に分かれ、先に再開発が行われた東地区は、ロータリーや住宅と商業が複合する施設「フォルテ摂津」などが整備されている。一方の西地区は、府道正雀停車場線や千里丘中央線といった幹線道路は整備されたが、駅前は古い木造建築が密集している。道路が狭いため自動車の送迎による渋滞も多く、歩行者の安全性についても問題視されている。土地活用の面でも、近年は駐車場や空き地が増えており、駅前中心部という立地を生かし切れていない。また、最近は北大阪健康医療都市のまちづくりなど周辺地域のマンション開発が進んだこともあって、駅の乗降客は2013(平成25)年以降、増加傾向にあり、都市機能の改善のため再開発の必要性が高まっていた。

まちづくりの検討は、1988(昭和63)年から約30年の間は地権者らによる準備組合によって進められてきたが、経済状況の悪化などの理由によって活動の規模が縮小し、事業化に至らないまま解散した。2018(平成30)年、摂津市は市施行の再開発事業方針を決定。同年には計画案の見直しを行い、昨年は都市計画原案の説明会を実施。今年2月に都市計画を決定した。

開発地区は府道正雀停車場線と大阪高槻京都線に囲まれた場所で、市が施行するのは約1.5ヘクタール。都市計画の案では、約0.3ヘクタールのロータリーや道路を整備し、約0.6ヘクタールの「Ⅰ街区」、約0.1ヘクタールの「Ⅱ街区」に分け、Ⅰ街区には32階建て280戸の超高層マンション、自由通路によって駅と直結した3階建ての商業施設、駐車場を整備。Ⅱ街区には5階建ての商業施設を予定している。

 

 

今年3月には事業協力者を募集し、7月16日、最優秀提案者に大和ハウス工業を代表とする共同企業体が選定された。今後は建築物の基本設計や測量調査など計画の策定や法手続きを進めていく。市の担当者は「この再開発は摂津市として新たな拠点づくりであり、核となる重要な事業です。商業施設の内容をはじめ詳細についてはまだ計画の段階で、これから検討していくことになります。今後にご期待ください」と話している。

※計画案の内容は公表時点のもの。変更の可能性あり(イメージなども含む)。

記事内の情報は取材当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。