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各市 名前の由来 北摂EAST

2020.09.08
摂津国の地図「天保国絵図摂津国」
国立公文書館デジタルアーカイブ  https://www.digital.archives.go.jp/

 

皆さんは地元や近隣のまちの名前の由来についてご存じでしょうか。
知っているようで知らない、少し気になる市の名前の由来について調べてみました。

 

【 茨木市 】
土地にイバラの木が多く茂っていたことに由来するというのが有力。茨木神社の由緒書によると「大同2(807)年 坂上田村麻呂が荊切の里をつくりしとき―」とあるそうです。また「茨木」の漢字で地名として出てきたのは、1200年の「神国正田地売券」(勝尾寺文書)が古く、「島下郡中条茨木村」と記されています。同文書に「荊切」「「蕀切」、別史料には「荊蕀木」とも。
一方、「日本霊異記」に私度僧の石川沙弥が「味木(うまき)里」という場所で死んだという話があり、ウマキ→ウマラキ→イバラキと変化したという説もあります。

【 高槻市 】
かつては「高月」だったという伝承があり、14世紀頃に荘園だった「安満庄」の目録案にその名が初めて登場。「三島地名考」(18世紀)によると、月弓神(つきゆみのかみ)と素盞鳴神(すさのおのかみ)がまつられる社を「天月弓社(あまのつきゆみのやしろ)」、また「高月読社(たかのつきよみのやしろ)」と呼んだとあり、これが名前の由来とされています。もう1つの説は、神武東征の時に道臣命(みちのおみのみこと)と味摩治命(うましまみのみこと)が神武天皇に抵抗した一族を討伐。その時の軍隊の旗印が月をかたどっていたので、2人が褒美として神武天皇から与えられた土地を「高月」と呼ぶようになったというもの。
「月」が「槻」に変わったのは、戦国時代、この地にあった槻(ケヤキの古称)の近くに本陣がたてられたからだとか。

【 摂津市 】
市が誕生した1966(昭和41)年に、全国に市名を一般公募し選ばれました。由来はもちろん「摂津国(せっつのくに)」。摂津国は日本の令制国の1つで、現在の大阪府北中部の大半と兵庫県南東部に当たります。「摂津」は「『難波津(なにわつ)』を管理する」という意味。最初は「津国」だったのが、国名を2文字に統一する流れの中で「摂津国」になったのでは、という考察もあります。
いかがでしたか。市名の由来は土地の歴史に繋がります。多くは伝承なので定かではありませんが、深堀りしたら新発見があるかもしれません。

[ 参考文献 ]
日本歴史地名大系(28‐[2])大阪府の地名(平凡社)、参考ホームページ:茨木神社HP、各自治体HPなど

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