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今どきの中学校給食【北摂WEST編】

2019.07.31

【トップ写真:箕面市の給食の一例(ビーフカレー、りんご缶、福神漬け、ドレッシングサラダ、味付けいりこ)】

「あのおかずが好きだった」「私の時代はこんなメニューが人気だった」など学校給食には思い出がある人も多いのではないだろうか。小学校では完全給食が定着しているが、中学校になると地域によって実施にばらつきがあるようだ。時代の変化とともに、中学校給食の充実を求める声が高まる中、北摂各市の中学校では様々な形で給食が実施されており、それぞれに工夫を凝らしたものとなっている。

■完全給食の箕面市 箕面産の食材も活用

箕面市の中学校給食には、箕面産の野菜や米を生産者が届けてくれる「地産地消」の仕組みもある。

 箕面市は、小中一貫校を含む全ての中学校が完全給食で、学校ごとに設置された給食室で調理を行う「単独調理場方式」だ。今年1月からは、年間の全てのメニューが「低アレルゲン献立」となった。卵、牛乳、小麦などの特定原材料7品目のほか、食物アレルギーの原因となる食物をできるだけ使用せず、1人でも多くの子どもが同じ給食を食べられるようにしている。一般的に、食物アレルギーの給食対応は「除去食」「代替食」で、個別に提供することが多い。それでも誤配や誤食のリスクは避けられないため、調理・配膳・食事中もかなりの注意が必要となる。しかし「低アレルゲン献立」では、アレルギー対象になることが多い7品目を調理に使っていないため、食物アレルギーを持つ生徒の多くが除去食ではなくみんなと同じメニューが食べられる(ごまなど除去対応食材もある)。
 また、箕面産の野菜や米を生産者が届けてくれる仕組みもあり、市内で生産される野菜を優先して給食に使用するほか、献立に使用されていない野菜が生産された場合は食材を差し替えて使用することもある。2018年5~7月に市内中学校で使用された野菜の約34%が箕面産だった。食育の一環として、田植えや稲刈り、野菜の収穫など農家での農業体験も実施している。

■吹田市は保管時の安全性に配慮した選択制

吹田市の中学校給食の一例(たこ飯ほか)。牛乳付。

 吹田市では、中学校の給食は希望する日を選ぶ「選択制」となっており、給食を選択しない場合は家庭からの弁当や購買のパンを利用する。希望者は登録をすれば、毎月20日までに次月分の給食をパソコン・スマホで予約することができる。また、締め切りが過ぎても毎月5日までに申し込めば、その月16日以降の予約は可能。調理業者から中学校の配膳室にランチボックスで運ばれ、ご飯は温蔵庫に、おかずは保冷庫に、牛乳は牛乳保冷庫にと、衛生的に保管されている。大切にしているのは季節を感じられるメニューにすることで、中学校長、市の職員や栄養教諭などで「献立作成委員会」が設けられており、旬を意識した献立が作られている。

■豊中市はコンビニ決済で試食会も開催

豊中市の中学校給食の一例(牛乳付)。

 豊中市では、2014年より配膳室の設備が整った学校から順次給食を開始し、2016年9月に18校そろっての実施となった。家庭からの弁当か給食かを選択し、1日単位で申し込むことができる。学校で提出するマークシートのほか、パソコン・スマホでも予約ができ、支払いは18食分か90食分を選び、前払いでコンビニ決済する。また、パソコン・スマホでの給食の予約は1週間前まで変更可能と、利用しやすさにも配慮がある。
 毎日献立が変わるので、家庭では見かけることが少ない献立なども味わうことができるのが特徴。また、学校単位で、生徒が給食を試食する「全員喫食日」があるほか、保護者を対象にした試食会もあり、給食を試しやすいように工夫されている。

■給食を「食」を学ぶ機会に
 中学校の給食メニューは「主食のご飯やパン、副食のおかず2~4品、牛乳」、価格は300円前後と、各市とも多くの人がなじみあるメニューだが、調理施設が学校にあるのか、調理業者から配送されるのか、全員給食か選択制かなど、違いがあることが分かった。
 しかし、どの場合でも衛生面や保温性に配慮されており、季節の旬や行事を大切にする献立など、ただ栄養を摂るだけでなく「生きた教材」として給食を活用するという意識は広まっているようだ。
 給食は、身心ともに成長できる栄養をしっかり摂れる。それだけなく食を教育の一環ととらえ、学ぶ機会でもある。地産地消や、季節ごとの旬の食べ物、行事にちなんだ料理や由来をみんなで一緒に学べるのは、学校給食ならでは。子どもの孤食や、フードロスなど食の問題も多い中、楽しく美味しく食べられる時間を子どもたちには過ごして欲しい。

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