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俳句コーナーVOL.23 2021年8月入選作品を紹介!

2021.08.04

6月25日締切りでご投句いただいた中から、
山口昭男先生に入選作品を選んでいただきました。

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【 優秀賞 】

少年の敬語涼しき汀かな

箕面市 高橋 真美
汀で少年と会話する。意外にもその少年は丁寧な敬語で話し出しました。それを聞いた作者は、爽やかな風に吹かれたような心持になったのでしょう。「涼しき」と季語を選んだことでその少年の姿がくっきりとしました。

 

【 入 選 】

紫陽花やガラシャ夫人の肖像画

吹田市 小倉 佳子
五七五、すべて名詞。あとは読み手に委ねられています。季語が際立ちます。

洗濯物たたむ我が手に夏来る

茨木市 武田 芳香
洗濯物を畳む手に初夏の風を感じた。その一瞬が俳句という詩になりました。

夕立の真中直立吾とポスト

箕面市 大石 典子
夕立の中では人間もポストも一つの個体なのでしょう。激しい雨です。

神さまのひそひそ話泉湧く

箕面市 高橋 真美
泉の湧き様を神様がひそひそ話をしているようだと詠いました。納得です。

風鈴や極楽橋に15分

豊中市 上杉 千代子
「15分」が面白い。いったい何をした十五分か。さまざま想像できます。

 

【 佳 作 】

梅雨空や糸まっすぐに朝の蜘蛛

高槻市 堀田 年子

朝粥に味噌一匙や走り梅雨

池田市 山内 留美子

王陵の水ほとばしる溝浚へ

高槻市 宮本 正章

雨上がり泰山木の白錆て

西宮市 宮部 志津枝

想ふほど人は想はず星祭

茨木市 河本 要

 ◆ つぶやき評 ◆ 
どうしても言葉が増えてしまうということがあります。それは散文に慣れてしまっているからです。俳句は韻文ですから散文の中の言葉をはぎとっていかなければなりません。思い切った省略も必要でしょう。

 

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〈 選 者 〉 山口 昭男(やまぐち あきお)

1955年 神戸市生まれ。1980年「青」に入会。波多野爽波に師事。
2000年「ゆう」入会。田中裕明に師事。編集担当。
2010年俳誌「秋草」を創刊し主宰する。毎月発行。句集に『書信』『讀本』『木簡』がある。
2018年句集『木簡』で読売文学賞受賞。日本文藝家協会会員。

 

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【 俳句の応募方法 】
氏名・住所・年齢・明記のうえ、ハガキ、封書、FAX、下記の応募フォームのいずれかからご応募ください。

【 宛 先 】
〒566-0001 大阪府摂津市千里丘1-13-23
株式会社シティライフNEW 俳句係まで
FAX 06-6368-3505
https://pro.form-mailer.jp/fms/f413b102177160

【 応募フォーム 】
※締め切りは毎月25日必着
※いずれも一人5句まで
※掲載は次々号となります
※佳作は掲載をもって発表とさせていただきます。
※お名前と作品を掲載します。

 

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山口昭男先生の最新巻の紹介

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