俳句コーナーVOL.50 入選作品を紹介!
2023.11.05
9月25日締切りでご投句いただいた中から、
山口昭男先生に入選作品を選んでいただきました。
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【 優秀賞 】
綿飴のやうな犬ころ応挙の忌
小諸市 藤 雪陽
円山応挙は「仔犬図」という作品名が示すように仔犬を好んで題材としたようです。そのことからも綿飴のようなふさふさの毛の犬との出会いも応挙の忌にふさわしく思います。「犬ころ」と詠ったところも可愛らしさも感じます。
【 入 選 】
秋涼しシャツと素肌のあわひかな
茨木市 角島 健二
秋の涼しさはこの「あわい」にも感じられるようになるということです。
さり気なく風を遊ばす稲穂かな
吹田市 森戸 秀次
さり気なくというところに豊かに実ってゆく稲穂が見えてきます。
生きるとは難儀なことよ獺祭忌
吹田市 堀田 恵美子
子規の忌を迎えて生きることを考えた。子規もまたそうだったのでしょうか。
山門を一歩踏み入れ秋に立つ
吹田市 小松 紀子
下五のきっぱりと表現した強さが、秋の爽やかさにつながってゆきます。
蟷螂の構えも見せず翔びにけり
高槻市 黒田 豊子
蟷螂をずっと見ていて発見したしたこと。飛ぶときは突然です。
【 佳 作 】
はつ秋や雲のかたちの貝釦
和泉市 押見げばげば
白桔梗五角の花に力あり
豊中市 小倉 佳子
えんてんか信号まちで母のかげ
吹田市 ありまいろは
白萩こぼれ朝刊の斜め読み
箕面市 西村 久美
高原のレタスるり色小海線
摂津市 河野 喜江
◆ つぶやき評 ◆
俳句コーナーの年齢差はおおよそ八十です。八十年という人生の間(あわい)の中でそれぞれの作品を寄せて来られます。老若男女が五七五の定型で詩を紡ぐ。年齢に関係なく、思い切った言葉への挑戦を期待しています。
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〈 選 者 〉 山口 昭男(やまぐち あきお)
1955年 神戸市生まれ。1980年「青」に入会。波多野爽波に師事。
2000年「ゆう」入会。田中裕明に師事。編集担当。
2010年俳誌「秋草」を創刊し主宰する。毎月発行。句集に『書信』『讀本』『木簡』がある。
2018年句集『木簡』で読売文学賞受賞。日本文藝家協会会員。
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【 俳句の応募方法 】
氏名・住所・年齢・明記のうえ、ハガキ、封書、FAX、下記の応募フォームのいずれかからご応募ください。
【 宛 先 】
〒566-0001 大阪府摂津市千里丘1-13-23
株式会社シティライフNEW 俳句係まで
FAX 06-6368-3505
https://pro.form-mailer.jp/fms/f413b102177160
【 応募フォーム 】
※締め切りは毎月25日必着
※いずれも一人5句まで
※掲載は次々号となります
※佳作は掲載をもって発表とさせていただきます。
※お名前と作品を掲載します。
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