‐茨木市‐ 茨木別院の「令和の大改修」現場見学会を実施
2025.11.10
阪急茨木駅前にある茨木別院で11月14日~16日、本堂(国の登録有形文化財として指定)の大改修の現場見学会を実施する。素屋根足場の上に創建登り、創建当時の建築工法と保存修理の現場を見学することで、多くの人に木造建築の歴史と文化的価値周知することが目的。
茨木別院では、今年1月から約2年(令和 8(2026)年11月完了予定)を工期に、本堂の大改修を行っている。本堂は、江戸期(1777 年)に建立された築 250 年の木造建築で、府下屈指の大伽藍(正面27m、奥行25m)。その大きさから、かつては同市を代表するシンボル的な建築物の一つで、市民から「御坊さ
ん」と親しみを込めて呼ばれていた。2016 年には国の登録有形文化財となり、その歴史的価値が認められた。
屋根裏の木組みには様々な工夫が施されており、現在の建築工法とは異なる知恵や技法が使われている。巨大な素屋根足場を組んでの工事なので、それらの様子を本堂の軒先まで登って、間近で見れる。
現在は屋根の工事を行っており、屋根の北側と東側は、傷んだ箇所を修理するとともに、屋根のゆがみを直し垂木を取り付け、その上に板張りをし、木工事による補修が完成したところ。神社仏閣では屋根のカーブの美しさが求められるが、丁寧な木工事により何とも言えない曲線美が再現された。軒先から見上げる屋根は想像以上でスケールの大きさを感じる。一方、南側は木組みが見える状態で大工さんによる木工事が進められている。また西側は、瓦は取り除いているが、下地は昔のままで、250年前の屋根の様子を見ることができる。
屋根の木組み等の保存修理の工事が終われば、空葺きによる本瓦での葺替え工事、白壁(漆喰壁)の塗替え、天井や床の改修、耐震補強工事を施す。これらの工事を通して、地震や台風による被害を食い止め、園(認定こども園「いばらき大谷学園」)の子どもたちや隣接する道路を行き交う人々や車の安全を守る。
【概要】
日時:11月14日~16日 10時~16時
場所:茨木別院
費用:無料
予約:不要
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