人のつながりを強く感じる場所

JOCAとは、青年海外協力隊として開発途上国支援に携わった経験をもつ職員を中心に発足した内閣府認定の公益社団法人だ。海外で培った経験やノウハウを、日本国内の地域活性化に生かす取り組みを行い、JOCA大阪は関西圏を中心に活動をしている。

JOCA大阪の事務所は2018年に梅田から正雀に移転。活動目的である、「より地域に根差した活動や社会貢献ができる拠点」を探し求め、正雀にやって来た。「最初に調査に来たとき、商店街の方々や近隣住民の方々がすごく歓迎してくれました。市役所の方も協力的で、いろいろな方とつなげてくれました。地域事業は、私たちにどれだけ熱い気持ちがあっても、地域の協力がなければ成り立ちません。人のつながりを強く感じる場所だと感じました」。何か面白いものが生まれそうな、「原石のような土地」だという直感が移転の決め手となった。そして2018年7月、地域の人たちの全面協力を受けて、空き家の1階部分を改装し、事務所兼カフェをオープンした。

人と人がつながる拠点に

子どもと関わる中で、地域の課題がみえてきた。「お腹すいた」「ごはんを食べていない」「学校に行っていない」という言葉を耳に。中には家庭に問題を抱えている子どももいるということを知ったという。「直接援助することはできないけれど、子どもと、子どものために活動したい大人をつなげられるのではないかと」。1階部分を再び改装し、キッチン設置の準備を進めている。

10月には、誰もが利用できるコミュニティキッチンがオープンする予定だ。「子ども食堂をしたいという声もあります。子どもたちには、ごはんをきっかけに、いろいろな大人とコミュニケーションして欲しいです。次のステップとして、人と人をつなげていけるような、そんな拠点になればいいなと思っています」。

記事制作日：2022年9月