■全国の中学・高校で初の試みである「学術基盤センター」

履正社中学校・高等学校がこの春から設置した「学術基盤センター」はどのような目的で作られたものなのだろうか。「知識やスキルを学ぶことは常に重要です。しかしもう一方で『蓄えた知識をどのようにして活かすか』も学ぶ必要があります。例えば論文を書く際には、何かを『知っている』だけではなく、何が課題かを見つける力、資料を探し読み解く力、多角的に検討し結果をわかりやすく説明する力などが求められます」と松本先生は語る。

各教科の先生方が教える専門の学びに加え、同センターはその学びを活かし下支えする、探究的な学びの在り方をデザインする組織になっている。「こういった学術基盤センターの設置は、全国の中等教育でもおそらく履正社が初めてです」。

■全米18大学への入学が保証されるDDPもスタート

他にもアメリカの名門進学校と提携した『U.S.Dual Diploma Program（デュアル ディプロマ プログラム）』を導入。これは履正社中学校・高等学校に通いながら、２年間、放課後の校内や自宅でオンラインのライブ授業を受講したり、セルフスタディーを進めるもの。このプログラムを修了すれば、高校卒業時にアメリカの高校の卒業証書も授与される。受講には英検２級以上の英語力が必要だが、英検準２級・３級の力があれば、準備コースから始めることもできる。

DDPの修了生は、全米のハイランキング（トップ２～８％）18大学への推薦入学が保証される。「DDPを始めるために英検の勉強に力を注ぐ生徒も増えていくことでしょう。給付型奨学金を得ての米大学進学も可能になるので、国内の大学だけではなく、新たな進学先の選択肢が生まれると思います」。

　“ここが世界だ”と実感できる環境づくり。履正社の新たな取り組みに期待が高まる。