膝の痛みの多くは、加齢による軟骨のすり減り(変形性膝関節症)や怪我が原因で起こります。特に70代・80代以降の高齢期の方や、日本人に多いO脚傾向で膝の内側に負担がかかりやすい人、過去にスポーツなどで靭帯や半月板を痛めた経験がある人は発症しやすい傾向があります。年齢とともに組織が弱くなるため、立ち上がりなどのちょっとした動作でも痛みが出やすくなります。一時的な痛みであれば自然に軽快しますが、2~3週間以上痛む場合は受診が必要です。「年のせい」と放置せず、何が原因で痛んでいるのかを医療機関でしっかりと確かめ、適切な治療法を選択しましょう。体重増加は膝へダイレクトに負荷をかけるため、体重管理も予防には欠かせません。また、突然激しい痛みに襲われた時は、骨の一部が死んで潰れてしまう「骨壊死」の可能性もあります。初期のレントゲンには写らないことも多いため、早期に専門医を受診しMRIによる詳細な原因追究を行うことが重要です。
薬や注射などの保存療法で改善せず手術が必要になった場合でも、過度に恐れる必要はありません。近年は、体への負担が少ない「低侵襲手術(MIS)」が積極的に取り入れられています。すり減った内側だけを入れ替える「部分人工関節」は、自身の正常な骨や靭帯を残せるため、身体への負担を抑えることができます。曲げ伸ばしもスムーズで、中には正座が可能になる方もいます。さらに、膝の筋肉を極力切らない術式になるため回復も早く、翌日には歩行リハビリを開始できます。当院では一度の入院・手術で両足の痛みを改善でき、通院の手間や身体的・精神的負担を大幅に減らせる両膝同時の手術を行っております。入院期間は通常2週間ですが、現役世代の方のご要望で1週間入院の相談もお受けしています。
また、0.5mm単位の正確な骨切除により、安全で精緻な手術を提供する手術支援ロボット「ROSA」を導入し、症状によって選択的に使用しています。