斬新なルールで一躍有名に 従業員の働きやすい職場をつくる工場「パプアニューギニア海産」
2021.08.02
好きな時間に働ける「フリースケジュール」など、斬新な社内ルールで有名になった摂津市の「パプアニューギニア海産」。工場長の武藤北斗さんは、数々のメディアに取り上げられた後も、以前と変わらず改革に取り組み進化を続けている。
天然エビの加工を行う工場では、パートが働きやすい環境にするため、細かいルールを決めている。中でも有名なフリースケジュールは「出勤も欠勤もOK、しかも連絡しなくてよい」。また事前に約30ある作業について好き嫌いをチェックしてもらい、「嫌いな作業を”してはいけない”」という。
ほかにも「あいさつをする場所」「作業台に入る順番」など多数ある。一見、逆に厳しすぎるように感じるルールもあるが、全て従業員たちとの対話の中で生まれ、トライ&エラーを繰り返している。例えば「あいさつする場所」を決める理由は、よくあいさつをする人、あまりしない人がいる中で、「自分はあいさつされた・されない」など各自の思い込みによって関係がこじれるのを防ぐ。全員の意見を聞いて決まったルールだが、状況によって都度見直している。
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今のような形になったのは、2011年東日本大震災で宮城県から大阪に移転したことがきっかけだった。「当時、僕を信じてついてきてくれた子が、2年後に辞めてしまったのがショックでした。僕が工場長になった時、従業員が苦しまずに働けるにはどうしたらいいか、考えるようになりました」。その直後、全員と面談を実施。子育て中の母親の「子どもが体調を崩した時に、気兼ねなく休めたらうれしい」という意見を聞き、2013年からフリースケジュールを始めた。
ルールを決めることで良い効果が出た。退職者が減って求人広告が不要になり、新人研修も減るなど経費削減になった。また「手作業なので、ちゃんと向き合うとおいしくなるんです」と、前から自信があったエビフライの出来がさらに良くなった。
今後について「関わっている人たちみんなが、平凡な毎日を過ごせることが一番。でも、それってけっこう難しいことだと思うんです」と武藤さん。8年前と変わらず、従業員と真摯に向き合ってゆく。
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株式会社パプアニューギニア海産 かぶしきがいしゃぱぷあにゅーぎにあかいさん
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