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豊中市で初開催「体感型防災アトラクション」

2019.09.18

豊中市立野田小学校に貼り出されたパニック映画のような「防災訓練」の告知ポスター。災害現場を再現し、ゲーム感覚で楽しみながら防災を学べる参加型の「体感型防災アトラクション」のポスターだ。野田校区では毎年「野田校区自治協議会」の主催により、防災設備が整った野田中央公園で防災訓練が行われていた。しかし、200人以上の参加者が集まるも大半が高齢者。地域コミュニティ活性化が目的でもある防災訓練に、若い世代も参加して欲しいというのが自治協議会の願いだった。

そこで、役員の一人が体験して面白かったという「株式会社フラップゼロα」による 防災アトラクションの実施を依頼した。開催日は大雨だったにも関わらず、親子連れや友達同士、孫を連れたお爺さん、他の学区からの見学者など続々と会場に現れ、計400名の参加者となった。

アトラクション前に防災知識のクイズが行われたが「参加者があまりに知識がなさすぎてスタッフの方が驚いてました」と会長は苦笑した。そしてついにアトラクションへ。「巨大地震発生、災害現場から脱出するまでに残り時間わずか」という設定でスタートする。巨大スクリーンでの臨場感あふれる映像演出。会場に響くカウントダウンに焦らされながら、4つのミッションをグループで協力しあってクリアしていく。その際に災害時に必要なアイテムの知識がつき、現場からの脱出・安全確保を目指す事で、自助、共助の大切さを体感する。「他人同士でグループを組み、それぞれにリーダーを決めているのですが、おとなしそうな人が急にリーダーシップをとったり、大人より子どもの方が柔軟だったりと、皆さんの意外な一面も見れて良いコミュニケーションが取れてるようでした」。

最後に「ふり返りシート」で復習するのだが、災害を体感したことで本当に必要な物が頭に入っていたらしい。「知識を得ただけじゃなく、意識が変わりました。市や誰かがやってくれる、ではなく自分でやらなければ」と役員たちは決意する。さっそく運営委員で町の防災を見直し、避難場所を誰が見てもわかるように誘導する「防災マップ」の掲示板を各ポイントに立てることが決まった。防災意識の向上と地域コミュニティ活性にもつながった。
8月末に西宮市主催で西宮市役所にて「大雨洪水」をテーマにしたアトラクションが開催される。西宮市での開催は今回で3回目となる。「株式会社フラップゼロα」の統括プロデューサー松田さんによると「西宮市は風水害が続いていたので何度も要望を受けております。2016年に3つの台風が上陸した北海道からの要望もありました。『大雨洪水』には『巨大地震』とはまた違う知識が必要なので、たくさんの方に知っていただきたいです」と話す。


防災知識クイズ

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