俳句コーナーVOL.39 入選作品を紹介!
2022.12.08
10月25日締切りでご投句いただいた中から、
山口昭男先生に入選作品を選んでいただきました。
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【 優秀賞 】
秋風鈴鳴る恐竜のいた地層
箕面市 高橋 真美
秋の風鈴と二億年前の地層とは何の関係もありません。それが、「鳴る」という言葉で見事につながりました。秋の風鈴の音が恐竜たちを呼び覚ましたのかもしれません。そして、もうひとつ。「秋」を見逃してはならないです。
【 入 選 】
猫さがす貼り紙ありて秋うらら
吹田市 高嶋 文範
猫探しとはおもしろい。秋晴れの中でその貼り紙を気持ちよく眺めています。
凍て道を踏めば貴方の声のこと
豊中市 稲中 晴彦
踏むことで音が生まれる凍てている道。その音が慕う人の声なのです。
秋草の名前の七つ言えますか
豊中市 小倉 佳子
しゃべったことがそのまま俳句になりました。こういう自然さも貴重です。
団欒の深む障子を閉じてより
高槻市 佐竹 美和子
開いている時も家族の時間。閉めれば障子に囲まれて深くなってゆきます。
着ぶくれて平城京のど真ん中
豊中市 安藤 知明
平城京という地名が利いています。着膨れもまた合っています。
【 佳 作 】
霧吹きを木綿の皺に秋の風
豊中市 山上 秋葵
神無月やみ晴らしたる光かな
豊中市 宇田川 翼
エプロンに採る秋茄子の重さかな
和泉市 押見げばげば
揺り椅子に昭和の日付秋うらら
吹田市 秋山 寛
一人去り猫加はりて日向ぼこ
豊中市 安藤 知明
◆ つぶやき評 ◆
俳句は、自然の中に身を置いて作ってほしいと思っています。家を一歩出れば、自然が待ってくれています。少しの時間でも様々なものを見せてくれるのが、自然です。その自然の中にはもちろん人間も含まれています。
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〈 選 者 〉 山口 昭男(やまぐち あきお)
1955年 神戸市生まれ。1980年「青」に入会。波多野爽波に師事。
2000年「ゆう」入会。田中裕明に師事。編集担当。
2010年俳誌「秋草」を創刊し主宰する。毎月発行。句集に『書信』『讀本』『木簡』がある。
2018年句集『木簡』で読売文学賞受賞。日本文藝家協会会員。
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【 俳句の応募方法 】
氏名・住所・年齢・明記のうえ、ハガキ、封書、FAX、下記の応募フォームのいずれかからご応募ください。
【 宛 先 】
〒566-0001 大阪府摂津市千里丘1-13-23
株式会社シティライフNEW 俳句係まで
FAX 06-6368-3505
https://pro.form-mailer.jp/fms/f413b102177160
【 応募フォーム 】
※締め切りは毎月25日必着
※いずれも一人5句まで
※掲載は次々号となります
※佳作は掲載をもって発表とさせていただきます。
※お名前と作品を掲載します。
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