具体的な動きを見せ始めた 夢洲へのIR誘致
2019.10.31
2025年、大阪・夢洲にて万国博覧会(万博)が開催される。開催に向けて着々と準備が進められるなか、大阪府と市ではもう一つ大きな事業の準備が進められている。それが、「I R 誘致」だ。I Rとは、I n t e g r a t e dResortの頭文字で総合型リゾートと呼ばれるもの。民間事業者がホテル、カジノ、スタジアム、アミューズメント、コンベンション、ショッピングモール、ギャラリー等の施設を一体的につくり、運営する。総合型リゾートの創出に成功すれば、外国人観光客を中心としたにぎわいが生まれることが予測され、地域経済活性化につながると注目されている。
日本初となるIRの設置場所は、政府が全国で最大3か所の自治体を認定する。現状候補地としてあがっているのは、大阪(夢洲)のほかに、北海道(苫小牧、留寿都)、千葉(幕張)、和歌山(マリーナシティ)、長崎(ハウステンボス)など。今年8月には、横浜(山下ふ頭)もIRの誘致を発表した。大阪・関西万博の会場と同じ夢洲地区を候補地とする大阪府と市は誘致に向けての準備に早い段階から取り組み、「大阪I R 基本構想」を策定、2014年には基本コンセプト案を発表している。他の自治体に比べて先行準備が進んでいる大阪・夢洲が選定される可能性はどうやら高いようだ。
大阪府と市では2025年の万博開催時期での開業を目指しており、今年9月に事業者からコンセプト案を募集した。3社が手をあげたが、そのうちの一つは米IR大手のMGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの共同グループ。MGMリゾーツ・インターナショナルは世界各地でIRを運営している企業で、ラスベガスを中心とした大規模ホテルの展開、ショッピングモールや劇場、映画館、国際会議場などを運営している。府と市は、年度内には事業者の公募と選定を予定しているが、同グループは有力な候補として名前があがっている。
夢洲IRの施設の構想(案)「大阪府・大阪市IR推進局から提供」
仮に大阪・夢洲が候補地として認定されIRが誕生した場合、大阪・関西万博開催とあわせた経済波及効果は大きなことになるだろうと期待してやまない。
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