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俳句コーナーVOL.43 入選作品を紹介!

2023.04.05

2月25日締切りでご投句いただいた中から、
山口昭男先生に入選作品を選んでいただきました。

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【 優秀賞 】

ネクタイの結び目ゆるく百千鳥

松山市 久保田  凡
取り合わせの俳句では、どれだけ季語が離せるかが勝負です。ただ、どれだけ離したとしてもやはりそのつながりがうっすらと見えなければいけません。掲句の「百千鳥」、見事だと思います。

 

【 入 選 】

老犬が寄り添って来る老の春

高槻市 竹久 カズエ
老犬と老人。お互いがお互いを頼りにしている。気持ちの良い春です。

ろうばいや過ぎて気づきし下り坂

高槻市 堀田  年子
臘梅に気をとられ下り坂とはわからなかった。見事な黄色だったということ。

巾着にしやぼんのにほひ針供養

和泉市 押見げばげば
洗いたての巾着袋。毎年の針供養には欠かせないものだということです。

色たちぬ雪の甍に日の射して

茨木市 角島  健二
甍の雪へ日が射しています。白ではない雪の色への変化。一つの発見です。

あなたには見えない嘘を芹の水

豊中市 山上  秋葵
「を」が秀逸。ここに不思議な切れが生まれ、様々想像させてくれます。

 

【 佳 作 】

春の息抜けてシガール崩れけり

茨木市 暖井 むゆき

タンポポの綿毛のような恋でした

高槻市 葉月庵 郁斗

錠剤を溶かした如く春の月

尼崎市 宮武 由佳子

飴色の櫛に和泉の印長閑

大津市 近江  菫花

始業ベル鳴れば地虫の出でにけり

吹田市 秋山   寛

 ◆ つぶやき評 ◆ 
さあ、本格的な春です。野山歩きも苦にならなくなるでしょう。自然の中に身を置き、じっくりと自然と向き合ってください。そこで「発見」や「驚き」と出合うことによって、実感のある俳句が生まれてきます。

 

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〈 選 者 〉 山口 昭男(やまぐち あきお)

1955年 神戸市生まれ。1980年「青」に入会。波多野爽波に師事。
2000年「ゆう」入会。田中裕明に師事。編集担当。
2010年俳誌「秋草」を創刊し主宰する。毎月発行。句集に『書信』『讀本』『木簡』がある。
2018年句集『木簡』で読売文学賞受賞。日本文藝家協会会員。

 

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【 俳句の応募方法 】
氏名・住所・年齢・明記のうえ、ハガキ、封書、FAX、下記の応募フォームのいずれかからご応募ください。

【 宛 先 】
〒566-0001 大阪府摂津市千里丘1-13-23
株式会社シティライフNEW 俳句係まで
FAX 06-6368-3505
https://pro.form-mailer.jp/fms/f413b102177160

【 応募フォーム 】
※締め切りは毎月25日必着
※いずれも一人5句まで
※掲載は次々号となります
※佳作は掲載をもって発表とさせていただきます。
※お名前と作品を掲載します。

 

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山口昭男先生の最新巻の紹介

シリーズ自句自解Ⅱベスト100 山口昭男定価1500円+税 版元 ふらんす堂

既刊句集より100句抄出して著者みずからが解釈を付したもの。一句が出来上がるまでの作家の推敲のあとをたどることができ、実作者の句作りにおおいに役立つ入門書である。(Amazonなどで販売中)

 

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