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俳句コーナーVOL.71 入選作品を紹介!

2025.08.01

6月25日締切りでご投句いただいた中から、
山口昭男先生に入選作品を選んでいただきました。

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【 優秀賞 】

冷房を入れて我が家となりにけり

高槻市 土井あくび
暑い日は、家にいてもいつもと違う家にいるように感じます。そこで、クーラーをつけ涼しくすると、とたんにいつもの自分の家らしくなる。涼しさによって、家が「我が家」となったということ。よくわかります。

 

【 入 選 】

牛丼の肉の甘きや夏の雲

京都市 草夕 感じ
牛丼を食べて、さあ炎天の夏空へ。肉の甘さが力づけてくれます。

煩悩は歩けば忘る梅雨晴間

吹田市 堀田恵美子
じっと家に閉じこもっていて生まれる煩悩。歩けば忘れるのもまた煩悩。

喋りたき内緒の話氷水

高槻市 黒田 豊子
氷水を食べながら内緒話を喋りたくなっています。我慢できたでしょうか。

青嵐や又三郎の駆け抜ける

吹田市 堀井咲千子
青嵐に風の又三郎を見ました。俳句ではこのようなことも詠えるのです。

つまさきに光沈めてあめんぼう

日野市 平井 都々
水馬の足の先が窪んで水の光を集めています。よく見ることも俳句です。

 

【 佳 作 】

アイスティー擬態語多きひととゐる

千歳市 村瀬ふみや

耳裏は森の匂ひの昼寝かな

刈谷市 山本とりこ

おぼろげに胸の痛みや袋角

茨木市 にしの泊瀬

まだ舌にのこる一錠栗の花

和泉市 押見げばげば

蚯蚓這う時折体を捩りつつ

熊本市 貴田 雄介

 ◆ つぶやき評 ◆ 
動きのある小動物をよく見ることも俳句では大切になってきます。ほとんどはいつも見ている動きや姿なのですが、時折おやっと思うことが見えてきます。そこをすかさず五七五で射止めてください。

 

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〈 選 者 〉 山口 昭男(やまぐち あきお)

1955年 神戸市生まれ。1980年「青」に入会。波多野爽波に師事。
2000年「ゆう」入会。田中裕明に師事。編集担当。
2010年俳誌「秋草」を創刊し主宰する。毎月発行。句集に『書信』『讀本』『木簡』『礫』がある。
2018年句集『木簡』で読売文学賞受賞。日本文藝家協会会員。

 

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【 俳句の応募方法 】
氏名・住所・年齢・明記のうえ、ハガキ、封書、FAX、下記の応募フォームのいずれかからご応募ください。

【 宛 先 】
〒566-0001 大阪府摂津市千里丘1-13-23
株式会社シティライフNEW 俳句係まで
FAX 06-6368-3505
https://pro.form-mailer.jp/fms/f413b102177160

【 応募フォーム 】
※締め切りは毎月25日必着
※いずれも一人5句まで
※掲載は次々号となります
※佳作は掲載をもって発表とさせていただきます。
※お名前と作品を掲載します。

 

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山口昭男先生の最新巻の紹介

シリーズ自句自解Ⅱベスト100 山口昭男定価1500円+税 版元 ふらんす堂

既刊句集より100句抄出して著者みずからが解釈を付したもの。一句が出来上がるまでの作家の推敲のあとをたどることができ、実作者の句作りにおおいに役立つ入門書である。(Amazonなどで販売中)

 

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