‐茨木市‐ 茨木高校に残る旧制中学校時代の資料 「茨木高校関係資料」を市指定有形文化財に指定
2025.08.25
茨木市教育委員会は、今年創立130周年を迎える大阪府立茨木高等学校が所蔵する旧制中学校時代の資料を「茨木高校関係資料」として、市指定有形文化財に指定した。明治中期の創立時から戦後に至るまでの旧制中学校の史料が、大量かつ保存状況も良好に残る事例は全国的にも貴重なもの。
今回指定した資料は、明治28年(1895年)の大阪府第四尋常中学校設立時から、昭和22年(1947年)の敗戦直後までの史料1,020点。 茨木高校の前身である大阪府立茨木中学校は、戦前期において三島郡(吹田・摂津・茨木・高槻・島本地域)における唯一の旧制中学校であり、川端康成や大宅壮一など著名な卒業生を輩出してきた。 茨木高校関係資料試験、学籍簿などの教務関係、予算決算、備品管理などの会計関係、運動会や修学旅行、寮生活、卒業時の作文簿冊など、その内容は学校運営・生徒生活の全般に及ぶ。
注目できる資料として、「水泳王国茨中」に大きく貢献したことで知られる杉本傳教諭発案の「妙見耐寒夜行軍記録」や、歴史を講ずる天坊幸彦教諭指導のもと川端康成や藤波大超などが筆記した「村誌」が挙げられる。この他、公文書として大阪府とのやり取りを示す「往復文書」や、明治28年(1895年)度から昭和14年(1939年)度までの長きにわたって毎月書き継がれた教員・生徒の現況一覧である「月報」、同校に今もなお伝来する実験器具や動植物標本について記述した「博物標本器械目録」なども残る。また、10月18日から茨木市立文化財資料館テーマ展「旧制茨木中學校-近代教育の軌跡-」を開催し、これらの資料の一部を出品する予定。
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