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-豊中市- 北摂初 課題をオープンに豊中市が挑む官民共創の新たな取り組み「リバースピッチ」

2026.01.07
7月25日(金)、Blooming Camp イベントスクエア(大阪府大阪市北区大深町)で開催された。

 

豊中市が初開催した「リバースピッチ」は、行政が自らの課題を外部に向けて発信し、民間から解決策の提案を募る仕組みである。従来の「民間が行政へ提案する」形を逆転し、各担当課が3分間のプレゼンで具体的な課題を提示。会場では名刺交換・交流の時間を設け、担当課と事業者が直接つながる導線を整えた。公民学連携の全庁窓口を担う経営戦略課が運営を行い、若手職員の登壇を積極的に促すなど、人材育成も兼ねた取り組みとなった。

従来の枠組みを越え行政と事業者の対話による課題解決

募集はホームページや市のプラットフォーム、大阪府、商工会議所のネットワーク、開催協力施設(グラングリーン大阪・さくらインターネット「ブルーミングキャンプ」)のつながりを活用して広く周知。東京や堺市などでの実践例はあるが、北摂では初めての試みで、後日配信の動画公開によって当日参加できなかった事業者にもフォローを行った。このリバースピッチの仕組みでは、民間からの課題解決アイデアを受けても、行政としての公平性と透明性を担保するため、事業の導入は原則として競争入札などの公募を通じて実施される。行政側は提案を行った事業者と対話を重ねる中で、提示した課題を解決するため、具体的な事業へブラッシュアップしていくのが特徴である。一方、提案した事業者は、行政をフィールドとした実証実験の機会の創出や、ニーズに即した新たな事業の構築機会の創出、事業を他市へ横展開ができるチャンスがあるなど、双方にメリットが生まれる「Win-Win」の関係を目指している。事業実施に向けて進展する案件もあり交流機会が増大

今年7月に開催したリバースピッチの成果として、
提示した課題のうち事業実施に向けて調整中のものもある。

「残念ながら現時点で調整に至らなかった案件でも、新たな視点が得られ、解決策の可能性が広がりました」と担当課の藤さんは話す。「何より大きいのは、これまで接点のなかった事業者と出会えたことです。民間側からは『行政の課題は見えにくい』という声もあり、課題をオープンにすることでネックになっている部分がわかりやすくなったという実感があります」と初開催の手応えを語る。登壇する内容は各担当課と調整し、各担当課が自分の言葉で外に向けて課題を発出することができたことも成果と話す。都市経営の変革を支える課題解決の重要な架け橋に

同市経営戦略課は公民学連携の推進に加え、企業版ふるさと納税の寄付獲得、南部地域活性化に係る施策等の総合調整、都市間連携など、多岐にわたる横断機能を担う。極めて深刻な少子化である状況に対し、こども政策の充実・強化を重点政策とし、5年で約100億円規模の投資を掲げるなど、都市経営の変革を進める同市にとって、リバースピッチは「課題を見える化し、民間と共創で解決する」ための重要なインターフェースである。行政の課題を知り、民間のソリューションが届く。その循環が生まれることで、まちの課題解決力を高めていくことを狙いとしている。今後は初回の運営ノウハウを活かし、バージョンアップして継続開催を目指す。

豊中市都市経営部経営戦略課藤 伸太郎さん
「リバースピッチ」とは、スタートアップ企業が投資家などに対して自らアイデアや事業計画を短時間で説明する「ピッチ」の逆のもの。自治体が課題やニーズを提示し、スタートアップ企業などから解決の提案を募るイベント。「継続して開催をしていきたい」と取材に応じる。

豊中市が抱える15課題を発信し、参加企業数として52社、約100名が参加。写真は豊中市の職員がプレゼンをする様子。

 

 

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