コロナで失業率、廃業増加 困ったら支援の活用を
2020.12.29
12月3日、大阪府の新型コロナウイルスの警戒信号が赤に点灯し、非常事態の対応が取られた。ウイルスが活動的になる冬以降も、厳しい状態が続くと思われる。全国的に経済活動が停滞し、退職や廃業を余儀なくされる人も少なくない。収入源が途絶えた場合、国や自治体の支援策があるので改めて確認したい。
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今年に入ってから完全失業者数は全国的に増加傾向にある。総務省の調査によると、近畿では1月に2.4%だったのが3月以降はほぼ3%を超え、10月時点で3.3%(約36万人)となっている。また、有効求人倍率は今年に入ってから全国的に減少の一途をたどり、大阪では10月時点で今年最低となる1.1倍となった。
昨年度の大阪の月平均1.74倍と比べ今年は10月までの月平均1.22倍となり0.52ポイント減少している。また12月16日時点の帝国データバンクによる調査では、新型コロナウイルス関連倒産は全国で808件、大阪は東京に次いで2番目に多い76件。求職者にとって厳しい状況が続いている。
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失業者への支援として、春以降に施行されてから現在も継続中である「住宅確保給付金」は、主たる生計維持者が離職・廃業後2年以内である場合などに利用できる制度で、家賃額が原則3か月間支給される。支給額の上限は市町村ごとに異なり、希望者は各自治体の直営または委託で運営している生活困窮者自立相談支援機関などに申請する。
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また、府ではコロナによる離職などで住居を退去する人に向けて、府営住宅を一時的に提供している。国では住宅ローン減税の入居期限要件を満たせない人が、代わりの要件を満たすことで同様の減税措置が適用される弾力化措置も講じている。
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ほかにも府では、緊急かつ一時的な生計維持のための貸付を必要とする世帯には、原則10万円以内を貸し付ける「緊急小口資金」、コロナによる収入の減少や失業などで日常生活の維持が困難となっている世帯に月20万円以内を貸し付ける「総合支援資金」もある(ともに無利子、保証人不要)。期間や条件など、詳細は各窓口に問い合わせを。
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