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履正社高校から2選手がJリーグ入り 全国大会の悔しさと収穫を胸にプロの世界へ

2023.02.06
所属チームのキャンプや練習から、帰阪して参加した卒部式(1月14日)では、
気心しれた仲間たちとの再会に顔をほころばせていた。
(写真左/名願斗哉選手、写真右/西坂斗和選手)

 

今年度の全国高校サッカー選手権に出場した履正社高校(豊中市)から、2名のJリーガーが誕生した。川崎フロンターレ加入の名願斗哉(みょうがん とうや)選手と、徳島ヴォルティス加入の西坂斗和(にしさか とわ)選手に、全国大会で得た経験とこれからの意気込みを聞いた。

全国を目指した経験そのものがチームと選手の財産に

2022年に創立100周年を迎えた履正社高校。そんな節目の年にサッカー部は大阪府代表として2年ぶり4回目の全国の舞台に立った。優勝候補の一角に挙げられるほど充実したチーム力で臨んだ1、2回戦は相手チームを圧倒して快勝した。しかし、続く佐野日大(栃木県代表)との3回戦では、PK戦にまでもつれる死闘の末、涙をのんだ。

悲願の全国制覇を果たせず、両選手は「悔しい結果だった」と口をそろえる。一方で「大会を通じてチームも自分も成長できた(名願選手)」、「あこがれの舞台でサッカーができて何より楽しかった(西坂選手)」とも語り、練習の積み重ねや全国大会での経験を通じ、自分や仲間たちが大きな収穫を得たことに胸を張った。

監督の言葉に支えられて迎えるプロとしての新たな船出

学校では隣のクラスだった2人。取材中「どちらのクラスの方が勉強できるか」で談笑するなど、チーム仲がとてもいいとの言葉通りの姿を見せた。お互いのプレー面の良さを聞くと、西坂選手は名願選手の「相手がついていけない緩急のあるプレー」を、名願選手は西坂選手の「縦の推進力やクロスの上手さ、自分のミスもカバーしてくれる運動量の多さ」を挙げた。

3年間の部活動は、監督の指導にも支えられてきた。2人を育てた平野直樹監督は、「Jクラブのユースや強豪校との(U-18)プレミアリーグで1年間戦ったことも大きな経験でした。ただ、2人ともまだ狭い湾から広い海へ出たところ。覚悟を決めて必死に頑張るきっかけをつかんでほしい」と、教え子たちにエールを送った。

将来は日本代表でW杯の舞台へ高校で磨いたコンビ再演も目標に

履正社のOBには、ベルギーで活躍する林大地選手(シント=トロイデン)や、カタールW杯日本代表に選出された町野修斗選手(湘南ベルマーレ)がいる。偉大な先輩たちに続き、名願選手はここ5年間で3度のリーグ優勝をほこる川崎フロンターレへ、西坂選手は2021年以来のJ1復帰を目指す徳島ヴォルティスへの加入が決まり、すでにJリーガーとして活動をスタートさせている。まずは所属チームでスタメン奪取を目指す。さらに、名願選手は「日本代表に入り、W杯で優勝すること」、西坂選手は「日本代表で、また斗哉(名願選手)と左サイドでコンビを組むこと」と将来の目標も語ってくれた。全国大会で味わった悔しさと、3年間で積み重ねた成果を胸に、長い船旅へと漕ぎ出した。

西坂斗和 選手(DF)サイドバックとして活躍。今季より徳島ヴォルティスに加入(背番号28)。「スピードを生かしたプレイや、攻守に渡って運動量豊富なところが強みです。クラブの目標であるJ1昇格に貢献できるよう頑張ります」。

 

名願斗哉 選手(MF)履正社では10番を背負い、チームのエースとして活躍。今季より川崎フロンターレに加入(背番号24)。「得意なドリブルのほかに、チャンスメイクやシュートにも注目してください。1日も早く試合に出られるよう頑張りたいです」。

 

 

履正社高等学校サッカー部

https://www.footballnavi.jp/riseisha_hs_soccer/

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