俳句コーナーVOL.64 入選作品を紹介!
2025.01.06
11月25日締切りでご投句いただいた中から、
山口昭男先生に入選作品を選んでいただきました。
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【 優秀賞 】
せせらぎを招き入れたる冬座敷
豊中市 山上 秋葵
田中裕明に〈冬座敷海山招じ入れにけり〉という作品があります。この作者は「せせらぎ」です。冬座敷へ何を招きたいかというのは、その時の心持によるのでしょうか。招かれたせせらぎによって冬座敷が更に際立ちます。
【 入 選 】
老僧の大らかにして水洟す
茨木市 角島 健二
老僧らしいのからしくないのか。水洟に親近感があります。
冬うらら縦笛の穴一列に
日野市 平井 都々
そう言えばそう。一列の穴の裏側にも一つ穴がぽっかりと。冬うららです。
寝室に月現れてやがて過ぐ
茨木市 山﨑登代子
閨から月が見えたのでしょう。ずっと見ていたい。やがては消える月です。
冬ぬくしぼかんと空いたマンホール
大阪市 平川 直子
ふだんマンホールを見ても心は動きません。冬のぬくさが詩心を高めました。
ホチキスの貫く遺稿冬あふひ
和泉市 押見げばげば
最後の原稿。いつものようにホッチキスで綴じられている。冬葵が印象鮮明。
【 佳 作 】
金木犀雨がもたらすカーペット
豊中市 藤 誠
張り付いた赤い信号冬の空
尼崎市 宮武由佳子
口厚き牛乳壜や冬に入る
日野市 平井 都々
指先に食べごろを問ふ吊し柿
茨木市 森 千恵子
時雨忌や膳所から北へ坂下る
大津市 近江 菫花
◆ つぶやき評 ◆
例えば下五に「青い水」と置きます。口に出してみるとしっくりこない。そこで「水青い」としました。同じ五音です。声に出して聞いてみると不思議になじみます。このようなことが多々あるので、俳句の音読は大切です。
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〈 選 者 〉 山口 昭男(やまぐち あきお)
1955年 神戸市生まれ。1980年「青」に入会。波多野爽波に師事。
2000年「ゆう」入会。田中裕明に師事。編集担当。
2010年俳誌「秋草」を創刊し主宰する。毎月発行。句集に『書信』『讀本』『木簡』『礫』がある。
2018年句集『木簡』で読売文学賞受賞。日本文藝家協会会員。
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【 俳句の応募方法 】
氏名・住所・年齢・明記のうえ、ハガキ、封書、FAX、下記の応募フォームのいずれかからご応募ください。
【 宛 先 】
〒566-0001 大阪府摂津市千里丘1-13-23
株式会社シティライフNEW 俳句係まで
FAX 06-6368-3505
https://pro.form-mailer.jp/fms/f413b102177160
【 応募フォーム 】
※締め切りは毎月25日必着
※いずれも一人5句まで
※掲載は次々号となります
※佳作は掲載をもって発表とさせていただきます。
※お名前と作品を掲載します。
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